New   2025.11.4

埼玉りそな銀行 16事業者と連携し空き家問題を解決 ワンストップで所有者のニーズに応える

 

埼玉りそな銀行が地域事業者16社と連携し、ワンストップで空き家オーナーをサポートする「空き家まるごと解決システム」の提供を開始した。
空き家の管理、利活用、売却、解体までを一気通貫で支援する。

空き家問題は、発生の抑制から管理、活用、そして解体と、さまざまな対策が求められる。空き家オーナーのニーズは多岐にわたり、行政はもとより、さまざまな分野の事業者が連携して取り組む必要性が指摘されている。

埼玉りそな銀行が提供を開始した「空き家まるごと解決システム」は、住宅、不動産はもとより、葬儀社やコンサルタント会社など16社と連携、同行が窓口となり、空き家所有者のニーズによって連携事業者を紹介するものだ。空き家対策についてローンの商品化などは行われているが、大手金融機関がハブとなり行員がニーズを聞き取って対応する企業を紹介する取り組みは初の例とみられる。

地域密着の企業と連携し埼玉県の空き家所有者のニーズに対応(写真はイメージ)

同行は、2024年に「空き家対策タスクフォース」(25年に空き家対策グルーブに改称)を設置、空き家問題への取り組みを進めてきた。空き家オーナーが抱える悩みに対して何ができるかを検討、社内アンケートや自治体への訪問、県内で空き家問題に取り組む企業のピックアップとヒアリングなどを行った。管理や売却、商店再生など想定されたニーズに対し、ピックアップした企業と連携し解決できるのではないかと、24年11月に埼玉県の北部と西部で試行を開始、25年1月には全エリアに取り組みを広げた。個人渉外担当などが空き家所有者にあたったところ、約10カ月で114件の空き家情報が寄せられ、これらをマッチングし12件が解決に至った。内訳は解体1件、売却7件、物品整理が4件である。

この取り組みをしっかりとした形にしようと、連携企業16社と「空き家の有効活用等の促進に関する連携協定」を締結、一つのパッケージの形とした「空き家まるごと解決システム」をスタートさせた。ワンストップで空き家オーナーのニーズに対応し、負担軽減や課題解決につなげる。

空き家所有者に声をかけられる強み
社会資本の劣化を食い止める

連携協定締結企業は、県内の空き家対策に取り組む事業者で、空き家管理サービス、戸建賃貸管理サービス、空き店舗等のリノベーション、宿泊施設への再活用、地域活性化、解体・売却の試算、遺品整理、空き家の売却という空き家所有者のニーズに応える。ポラスグルーブの中央ビル管理と中央住宅、ジェクトワン、カチタス、ファイブイズホームなど住宅・不動産会社をはじめ、工務店支援や地域創生を手掛けるコンサルタント会社、葬儀社など多彩な事業者が名を連ねている(表)。

スキームは、埼玉りそな銀行の窓口に相談に来た人、また、通常業務の中で寄せられた相談に対し、ニーズや空き家の状況などを聞き取り、オーナーの承諾を得たうえで連携事業者に紹介する。試行期間は個人渉外の担当者などが顧客を訪問し資産状況などをヒアリングした際に空き家の話があれば対応するという形を試してきた。「空き家まるごと解決システム」の本格スタートにあたり、新たに専用のブースや窓口を置くことはなく、引き続き営業店の人員で対応するとともに、店舗窓口への相談に対応する。


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