アプリで関係人口の「見える化」を模索【”二地域居住”で地方創生はできるのか?:栃木県那須町】

那須町が進める二地域居住者の受け入れ体制

 

栃木県那須町は、2023年より地域と二地域居住者のつながりをつくる「那須町ふるさとアプリ」を開始。早くから関係人口の把握や地域サービスとの連携に取り組んできた。

自然が多く、レジャー施設や温泉施設も充実している那須町は、もともと別荘地としての人気があり、二地域居住の基盤があった。那須町ふるさと定住課リビングシフト推進室の高久祐一 課長は、同町の魅力について「首都圏からのアクセスがよく、往来しやすいこともポイント。また、開拓地の歴史があるため、全人口の半分が移住者で、移住してくる人に対して寛容」と話す。こうした背景から2021年に二地域居住の官民連携プラットフォームの前身となる全国二地域居住等促進協議会の副会長に選任された。これを機に、本格的に二地域居住への取り組みをスタートし、コワーキング施設の整備などを進めてきた。一方で、取り組みを進めるにあたっては、「二地域居住の方は那須町に住民票があるわけではないので、人数や属性の把握ができない。見えない層に対する政策という点では難しさを感じた」という。

こうしたなかで、23年に「那須町ふるさとアプリ」のサービスを開始した。誰でも登録が可能で、イベント情報の発信や、町内の店舗で利用できるポイントカードの付与、ふるさと納税の申請受付などを行う。また、アプリ登録者は、「地域ファン」、「二地域居住者」、「町民」の3つのステータスに分類され、「二地域居住者」はコワーキングスペースなどの公共施設を〝町民価格〟で利用できる。

那須町では「二地域居住者」を、別荘所有者とその家族、那須町に年間で10日以上宿泊する旅行者と位置づける。別荘所有者に対しては、家屋敷課税(※住民票を持たず、別宅や事務所などを有する個人に対し、市県民税の均等割を課税するもの)の納付書を発行する際にアプリの登録を告知。「地域とかかわりを持つ機会ができた」と好評だという。


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