生活者視点で付加価値を提供できるMatter対応住宅の可能性
大手テック企業などが参加し策定を進めるスマートホームの国際標準規格Matter(マター)が普及し始め、繋ぎたいものが当たり前に繋がる『スマートホーム2.0』への過渡期にある。
なぜ世界はスマートホームを求めるのか。日本の住宅業界にどのような変革をもたらすのか。
スマートホームのプロ集団、X‐HEMISTRYのCEO、新貝文将氏に、スマートホーム最前線を10回の連載で伝えてもらう。
Matterは、Connectivity Standards Alliance(CSA)という団体によって策定されたスマートホーム向けの標準規格である。CSAにはグローバルで800社以上が参画しており、Apple、Google、Amazon、Samsungといった業界のリーダー企業が中心となり、まさに今、約300社の企業が共同で規格を作り上げている。これだけの企業の開発者が皆で一つの規格を作ろうというのだから、相互互換性とセキュリティのレベルは自ずと高くなる。
日本でも2024年にCSA日本支部が発足し、30社を超える日本企業が会員とっており、参画企業が増加し続けている。ちなみに、筆者はCSA日本支部の代表を務めている。
Matterが注目される理由は主に3つある。一つは、「互換性の向上と導入コストの削減」だ。従来、スマートホーム機器を導入する際には、異なる規格や、Aⅿazon、Google、Appleなどの対応しているプラットフォームを理解する必要があった。メーカー側もプラットフォーム毎の個別開発が求められたため、プラットフォーマーとメーカーの双方にシステムの統合の調整が発生し、多くのリソースとコストが課題となっていた。今後Matterの普及により、異なるメーカーのデバイスが共通の規格で接続できるようになり、柔軟な選択肢の中から最適なデバイスを導入できるようになっていく。その結果、導入コストの削減とともに、住宅のスマート化がより容易になっていく。
二つ目は、「セットアップの簡易化とユーザー体験の向上」である。スマートホームの普及が進む中で課題になっていた要因の一つに、セットアップの複雑さがある。従来、異なるメーカーのデバイスを連携させるためには、専用アプリのインストールや、クラウド経由の設定が必要になる場合が多く、技術的なハードルが高かった。Matterは、この課題を解決する。AppleやGoogleが規格化を牽引していることからスマートフォンも標準でMatterをサポートしており、Matter対応製品を開封し、通電した後、同梱されているQRコードを読むだけで初期設定が完了する。
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