仕事×家庭両立の悩みを元に女性だけの住宅会社創業
オフィスHanako 代表取締役 渡辺さゆり 氏
新潟市を拠点とする住宅会社オフィスHanakoは、女性社員4人からスタートし、創業15年目となる現在は事業を拡大し、右肩上がりで成長を続けている。顧客と従業員の幸せを第一に、次々とユニークな策を打ち出す渡辺さゆり代表取締役に話を聞いた。
──2010年に女性社員だけの住宅会社として創業されました。創業経緯をお聞かせください

オフィスHanako代表取締役
渡辺さゆり 氏
渡辺さゆり(わたなべ・さゆり)
1970年、新潟市生まれ。高校卒業後、東京の専門学校を経て、地元に帰郷。不動産業を経て、実家の工務店に勤務。管理、設計、営業などで経験を積み、2010年にオフィスHanakoを創業。
家族は夫、一男、一女。趣味は旅行と酒。座右の銘は「死ぬこと以外かすり傷」。
私は工務店の家に生まれ、幼い頃から大工さんと遊んでもらいながら育ちました。いったん新潟を出た後Uターンし、23歳から実家で働き始め、事務や経理、インテリアコーディネートなど様々な仕事をこなしていました。転機となったのは社長であり職人でもある父からかけられた言葉です。「お前は何者だ」と聞かれ、その場でうまく答えられずすごく悔しかったのを覚えています。それがきっかけで、父のように営業、設計、現場監督などお客様に関わる一連の仕事を出来るようになると決めました。設計士の資格を取得し、35歳から大工の夜間訓練校にも通い始めました。ちょうど刻みからプレカットに代わる時期でもあり、この業界で生きていく限り伝統技術を学んでおきたいという思いもありました。訓練校に来ているのは20歳前後の男性ばかりで、35歳の女性が入るのは場違いな感じではあったのですが、そこで大工の技術を2年間学び、昼は住宅の営業・設計・監督の経験を積みました。設計に携わるようになり、次第にお客様には「女性の考えてくれた収納や家事同線だから、本当に満足しています」と言われるようになりました。

家づくりに関して自分でできることが増え、やりがいを感じ始めていた一方、大きな壁にもぶつかりました。約20年前の住宅業界は男社会だったため、現場の職人はなかなか女性の指示に従ってくれませんでした。結婚して子供2人を持ちましたが、当時は土日や夜に働くことが当たり前の環境だったため、仕事と育児の両立がうまくいかず鬱になったこともありました。お客様は女性設計士を必要としているのに、女性が働きやすい環境がない。この矛盾を解決するため、女性が働きやすい、女性だけの住宅会社を自ら作ることにしました。
──女性だけの住宅会社とした大きな理由は何でしょうか
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