万葉建設 佐々木俊一 代表に聞く「人が集まる会社づくり」
人手不足が深刻化する建設業界で社員満足度の向上に取り組む
人手不足が深刻化する建設業界で、社員満足度の向上に取り組む万葉建設の佐々木俊一代表取締役に、人が集まる会社づくりについて聞いた。

PROFILE
佐々木俊一 代表取締役
1991年 専門学校卒業とともに大手ゼネコンに入社
1995年 父の体調不良をきっかけに家業に携わる
2005年 独立。万葉建設を創業
一級建築士、一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、福祉住環境コーディネーター、CASBEE建築評価員、千葉県応急危険度判定士などの資格を持つ。著書に『人づくりの鬼〜10年で売上19倍を実現した経営者の仕事術〜』(みらいパブリッシング)がある
万葉建設(千葉県八千代市)は、今年で創業20年目を迎える総合建設事業社。佐々木社長は、八千代市で生まれ育ち、実家は工務店を経営していた。幼少期から上棟式に参加したり、修行に来た大工見習いと暮らしたりと建築は身近な存在だったという。高校を卒業後、ゼネコン会社に就職、父の頼みで家業を継ぎ、2005年に自分の会社を立てた。同社の強みは幅広い業務を請け負うことができる点。佐々木社長は、ゼネコン、地域工務店など建設業界に長く携わり、様々な経験をしてきたが、社員もゼネコン出身や設計事務所出身、土木工事出身など様々な経歴を持った人が在籍している。
「幅広い業務を請け負うことで、〝人に寄り添う〟会社にしたいという考えがある。例えば、若い世代が家を建てるときに関わって、数年後に実家の改修に携わる、数年後その方が会社で昇進し偉くなった時に会社の耐震改修の依頼を受ける。というように、一度依頼をしていただいた方の人生における建物に関しての困りごとを、その都度、解決していけるような会社でありたい」
一方で、設立から10年は、思うように仕事を受注できなかったりと、うまくいかないことも多かったという。
「ゼロからのスタートだったため、早く会社の認知度を上げたいという気持ちから社員に無理を言ったこともあった。また、当時は木造住宅を中心に請け負うことが多かったが、施主、現場監督、営業担当それぞれで想いの温度差や行き違いが生じてしまい、社内の雰囲気はあまりよくなかった」
そこで、経営方針を大きく転換。コスト競争になりがちな戸建住宅の営業をストップし、福祉施設や公共工事などの比重を高めた。現在も、住宅については営業をせず、直接依頼のあった案件で技術力を生かせると判断した案件に絞っている。また、同時期に、「社員満足」を意識して社内制度を一新した。
「離職率の高い会社は疲弊する。私自身、大手ゼネコンで働いていた時は、現場に泊まり込んでパイプ椅子の上で眠ったこともあった。しかし、家族がいる社員もいるなかで、家に帰れないような働き方が当たり前になっている状況に疑問があった。現在、当社は完全週休2日制で、年間休日は115日、有給休暇の積極的な取得を促している。また、17時30分の定時退社を推奨し、資格を取るために必要な勉強費用の負担も行っている」
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