アメリカでは普及率45%のスマートホーム 住まいの魅力を引き上げる重要なインフラに
2024年時点で普及率が45%に達しているスマートホーム先進国アメリカ。スマートホームセキュリティに大手企業が参入し始めたのは2010年頃だ。今回は徐々に拡大していった市場の成長過程と今を紹介したい。アメリカでは、1970年代から既存の配線を利用して遠隔操作を可能にする初期のオートメーション技術が登場し、富裕層向けに照明や冷暖房の自動制御システムが試験的に導入された。2000年代初頭には、住宅内の照明、AV機器、空調、セキュリティなど複数のシステムを統合して制御できるオートメーションが本格的に商品化。これらのシステムは、専門技術者による設置が必要で、高価格帯の高級住宅や富裕層向けのサービスとして提供されていた。
2010年頃からは、高速インターネットの普及、スマートフォンの浸透、さらにはIoT技術の進歩を背景に、従来の高級志向から一般家庭向けでも導入可能なサービスの台頭が始まった。大手通信事業者のAT&TやComcast、警備大手のADTなどが、通信環境の整備と技術革新を活かし、「スマートホームセキュリティ」という分野を確立。スマートフォンを活用してUXを高めることでホームセキュリティを双方向化し、かつ高度化したサービスを展開。常時通信(4G)が可能になり、ユーザーと家が双方向にコミュニケーションできる、まさに「家と対話する」サービスに変化していった。防犯機能に加え、スマートロックやスマートカメラといった付加価値を組み合わせることができるため、家庭の見守りやホームオートメーションなどの日常利用も可能となり、新たな購買層の獲得に成功した。
先駆者の成功を目の当たりにし、2014年頃からは、大手テック企業がそれぞれの強みを活かしてスマートホーム市場に本格参入した。AppleはiOS8のリリースとともに独自のスマートホーム管理システムHomeKitを発表し、スマートホームデバイスの統合管理を実現した。Googleはスマートホームデバイス開発を行うNest Labsを買収し空調制御をはじめとする家庭用デバイスを自社製品群に組み込んだ。Amazonは音声技術を活用したスマートスピーカーEchoを2014年~2015年にかけて市場投入し音声でコントロールできるスマートホーム環境を実現した。Samsungもスマートホーム管理システムを開発するSmartThings社を買収し、各社が連携の高さや使い勝手の向上に注力した。これにより、従来は高額所得者向けだった市場が一般消費者にも広がり、量販店やオンラインショップで多様な製品が並ぶようになり、スマートホームの普及が拡大していくことになった。
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