短納期の非合理性を認識したい 早期の情報共有で関係強化を
実現を見込めないスケジュールでいっぱいに
いわゆるウッドショックが発生したのは2021年の春先のことだ。その際、多くのプレカット工場には木材不足に危機感を抱いた顧客の工務店や設計事務所から加工の予約や見積もり依頼が殺到した。
住宅の作り手の立場からすれば、木材不足やそれに伴う価格の急騰は大問題だ。施主と相談している物件の詳細が決まり、材料の手配やプレカット加工を依頼しても断られては一大事だし、対応してくれることにはなっても、いつになるかわからないのでは仕事にならない。価格が上昇し続けていては、施主に建築費がいくらになるかを示すこともできない。

ただ、依頼を受けたプレカット工場の方も、材料手当の見込みが立たない中では明確な見通しを示しようがない。しかも、ある工場に聞いたところでは、加工予約や見積もり依頼といっても、その内容は図面が決まっていて木拾いもできるようなものは一部に過ぎず、せいぜい面積と大雑把な間取りが決まっているくらいのものがほとんどだったという。材料不足の折にこれでは見通しの立てようがない。
殺到した加工予約を積み上げてみると、何カ月も先までスケジュールがいっぱいになることがわかった。しかし、どんな材料がどのくらい必要なのかが把握できていないのだから、実はスケジュールと呼ぶには程遠い。


予定した加工日の間際になって詳細が決まり、材料の詳しいリストができあがったとしても、ウッドショックのさなかでは必要な材料がそろうかどうかわからない。結局いつ加工に着手できるかどうか見通しが立たずに途方に暮れる事態となることが予想された。
「これはまずい」と気づいたその工場では、プランを少しでも詳しく詰めてくれるよう顧客に働きかけた。その結果、少しずつだが詳しいプランが届くようになり、それらについては早めに材料手当に動くことができるようになった。
短納期が日常茶飯事になっている
この話を聞いて思ったのは、これはウッドショックだったから慌てたわけで、ふだんならプランの詳細がわからなくても加工予定を入れていたのではないかということだ。材料はプランが詳しく決まってから発注をかければいい。それでちゃんと届くのだから、と思っていたのではないか。
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