ニチコン、トライブリッド蓄電システムの第3世代モデル
クリーンエネルギーで電気代の最小化を実現
「太陽光発電」「蓄電池」「EV(電気自動車)」の3つのエネルギーをコントロールし電気代の最⼩化が目指せるトライブリッド蓄電システムの第3世代モデルを開発した。2025年秋から販売を開始する。
ニチコンは16年に、ハイブリッドの家庭用蓄電システムの「ESS-H1L1」蓄電池を発売。従来の単機能型では、直流で発電された太陽光発電の電力を太陽光パワコン(パワーコンディショナー)で一旦交流に変換する。しかし、この電力を蓄電池に充電するには、もう一度直流に変換するためさらに変換ロスが生じる事が指摘されていた。このロスを最小限に留めるために太陽光と蓄電池のパワコンを一体化したのがハイブリッド型だ。
18年には、太陽電池と、蓄電池とEV・PHVの内蔵電池と、蓄電池の3つのエネルギーをすべて直流DCで高効率にコントロールすることができる世界初の蓄電システム「トライブリッド蓄電システムTM」を発売。これまでに数万台の出荷実績があるという。

さらに今回、このトライブリッド蓄電システムをさらに進化させ、第3世代モデルとして発売するのが「ESS-T5/T6シリーズ」だ。「トライブリッドパワコン」の他、「蓄電池ユニット」、「V2Hポッド」、「V2Hスタンド」などで構成される。

太陽光で発電し余った余剰電力を、蓄電池とEVに同時充電することができる新機能を追加した。また、住宅用としては業界最大級の9.9kWの高出力パワコンを新たに搭載。これにより、⾃宅の太陽光発電を最⼤活⽤することで「電気代の削減」につなげることができる。
昼間にEVが家にある時は太陽光発電でEV電池を充電することができる。通勤や買い物などで昼間にEVが家にない時も太陽光発電を⼀旦蓄電池に貯めておいて、EVが家に戻ったら蓄電池からEV電池に「エレムーブⓇ(電力移動)」することができる。急いでEVを充電したい時は太陽光発電+蓄電池+系統の電⼒を利用して、最大9・9kWのハイスピードでEVを充電可能。3kWの普通充電器の約3倍のスピードで充電できる。
加えて、新たに系統電力を使用しない設定も選択できるようにした。NECST事業本部 エネルギーソリューショングループ 蓄電システムビジネスユニット長の戸城秀道氏は、「カーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギー拡大に伴い、再エネの電力安定化やEVの化石燃料による充電など国内のエネルギー課題がある中で、『家産家消』、つまり、『家で作った電気を家で使う』ことで、環境にもやさしく、カーボンニュートラルにも大きく寄与できる」と説明する。
レジリエンス性も向上
長時間の停電でも安心
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