DTS、3D住宅CADをバージョンアップ
建基法改正に対応、設計から構造計算まで一連の作業を可能に
3D住宅CAD「Walk in home」をバージョンアップ。2025年度の建築基準法改正を背景に、機能面や使いやすさの向上を図った。
コンサルティングからシステム設計・開発、基盤構築・運用までをワンストップで提供するトータルシステムインテグレーターであるDTS(東京都中央区、北村友朗社長)が、3D住宅CAD「Walk in home 2024」の販売を開始した。
「Walk in home」は、間取りを入力するだけで平面図や立面図から高画質なCGパースまでを作成することができるほか、確認申請に必要な各種図面も作成できる。2000年の発売以降、住宅事業者や建材メーカーなどに広く採用されている。
最新バージョンの大きな特徴は、25年に施行となる建築基準法にともなう機能を追加・更新したこと。具体的には壁量基準の見直し(準耐力壁の算入、高耐力壁の使用)、柱の小径基準の見直しを行った。また、設計支援ツールにより必要壁量、柱の小径や柱が負担可能な床面積を容易に算出することができる。
もう一つ大きな特徴が、「Walk in home」に構造計算連携機能を提供するオプションとして「Walk in home 許容応力度計算オプション Version3.0」を追加したこと。これにより設計から構造計算まで一連の作業が行えるようになった。具体的には、「Walk in home」で作成した平面、屋根、耐力壁、基礎などのデータを基に自動的に構造計算を行い、建物の強度や耐震性などを評価することが可能になり、効率的・合理的な安全性確認を実現する。この機能は(公財)日本住宅・木材技術センターによる木造建築物電算プログラム認定制度に申請中で、25年4月の建築基準法改正への対応を予定している。
また、今回新たに2つのサブスクリプション型サービスの提供も始める。
一つがクラウドデータ保存への対応で、「Walk in home 物件保存WEB」で、「Walk in home」のデータを直接クラウドに保存できるようにする。CADを含むさまざまなデータをクラウドに保存することで、物件データの共有、業務効率の向上、コスト削減などを実現できる。これまでパソコンにインストールしローカル環境で使用するものであったが、外部の設計事務所とのやり取りなどが簡単にできるようになる。
また、モバイルデバイスでのデータ表示・編集を可能とするサブスクサービス「Walk in home 360X」も開始。「Walk in home」で作成したデータをスマートフォンやタブレットで表示することができるもので、このモバイル上でも壁や屋根の部分透過や素材のワンタッチ変更などの編集を行うことができる。「Walk in home 360X」にデータをアップすると、二次元バーコードが作成され、アプリで読み込むことでウォークスルーやサイズや色の変更などを施主がモバイル端末ででき、施主の体験価値向上につなげることができる。
最近では新築住宅に限らずリフォームにおいても採用件数が増加するなど広がりを見せつつあるなか、「機能向上でこれまで以上にアピールしやすくなった」と、高い技術や知識がなくても使うことができるハードルの低さを武器に拡販につなげていく。
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