YKK AP初の単独展示会を開催　海外商品や新技術460点を展示し大盛況

初となる単独開催の展示会「YKK APフェア2024」を9月25日～27日の3日間東京ビッグサイトで開催した。注目度の高い住宅の断熱性能等級の達成に向けた建材の紹介や、新技術、海外製品の展示など460点を展示、来場者を魅了した。

今回のフェアでは、「想いをつなぎ、社会を幸せにする」をテーマに460点に及ぶ商品を展示している。内訳は窓・ドア商品が200点、インテリアが40点、エクステリアが160点、技術展示が70点。高さ約7mのビルファサードを再現した建築実物展示のほか、二階建ての住宅、平屋住宅などの実棟展示も行った。

住宅事業の展示コーナーでは、断熱等性能等級5、6、7に対応する高断熱な窓やドア、リフォーム商品などを紹介。住宅の高断熱化への取り組みがスピード感をもって進められる中、施工事業者から「性能を達成するためにどのような建材を使用して、どのような構造にすればいいのか知りたい」との声が多いとし、改めて、等級ごとに分けて適した建材を展示した。等級7に向けた建材展示では、7月に発売したばかりの国産ヒノキを利用したトリプルガラス木製窓「APW 651」も展示しており、関心を集めていた。

また、実用化へ準備を進めている新技術も紹介。そのひとつが、同社が複数社と協同で開発を進めているビル用の窓施工ロボット「MABOT（マボット）」だ。MABOTは自律移動して人と一緒に働くロボットシステムで、今回は、特に熟練した技術が必要な工程である位置決めと溶接を行うロボットをそれぞれ開発した。来春まで自社物件で実証実験を行い、28年の実用化を目指す。展示会でも実演を行っており、位置決めロボットが開口部の基準墨を自動認識し位置決めを行う様子や溶接ロボットが多少の段差にも問題なく移動する様子が見られた。その他、建材一体型太陽光パネルや、3Dモデルによる最適な工場のレイアウト検討、国産木材の活用拡大に向けた技術研究なども紹介した。

海外で展開している商品では、アメリカで発売したハリケーン、およびテロの防爆対応をした窓「ProTek」を紹介。ガラス面へのラミネート加工と、サッシのガラスとのかみ合わせ部分を衝撃に追従できるように工夫したことで、ガラスが飛散することを防ぐ。特に防爆対応のものは学校などの施設で評価が高いという。また、台湾では水密性能の高いサッシを販売するなど各地域ごとの特徴が現れる展示となった。

さらに、会場には木造CLT棟や、壁面緑化システムなども展示。「工作機械や研究中の技術は普段あまり外に出さないが、展示会を面白くするために社外秘にしておきたい技術や商品も総動員した」（同社）と見どころ満載な展示会に目標の1万8000人を上回る2万1000人が来場した。

YKK AP
堀秀充 会長

仕事で海外へ行くと、欧州やアメリカ、中国では各社からドアや窓といった開口部製品が集まる展示会がありますが、残念ながら日本にはそうした展示会がありません。ならば単独でやってみようと思い、この度このような展示会を開かせていただきました。商品を見てみると、15～16年前はサッシというと色の違いくらいしか選択肢がなかった。しかし、今はサッシにもいろいろな性能があるということをかなりの方に知っていただけています。そうしたなか、今回は挑戦的な商品として、まだ市場に出していない、発電できる窓のサンプルも展示しています。また、ビルの窓施工に関しては人材不足の解決に向けて、技術者の方に無理を言って形にしてもらった施工ロボットの展示も行っています。さらにアメリカで発売されているハリケーンやテロ対策の窓などもあります。YKKの創業から90年を迎え、100周年を目指す中で若い人材が新しい商品を開発してくれることを期待しております。ぜひ来場者の方の意見を聞かせていただいて、商品開発に取り込ませていただければと思います。

YKK AP
魚津彰 社長

YKKグループ創業90周年の記念すべき年にこの展示会を開けましたことを心から感謝申しあげます。オールYKK APを知っていただく機会をいただいたので、住宅、エクステリア、ビル事業の製品並びに、海外事業、新規事業、新技術を一堂に展示しています。また、業界のトレンドを踏まえたビジネスシーンで役立つようなセミナー、施工実演を用意しました。YKK APとしては2020年に計画を始めた自社ビルYKK AP30ビルが開設を控えております。さらにはものづくりの歴史や商品の進化を展示するYKK AP技術館も開設予定です。当社はこれからも攻めの姿勢で元気よく前進、挑戦を続けていき、YKKグループの創業100周年に向かって社員一丸となって成長したいと思っております。