2025年日本国際博覧会協会、シグネチャーパビリオン「Better Co-Being」の概要を公開
WEBアプリや石型デバイスで共鳴体験を提供
シグネチャーパビリオンのひとつ、「Better Co-Being」の概要を公開した。“ふしぎな石ころ「echorb(エコーブ)」”などを用いて、来場者に共鳴する体験を提供する。
大阪・関西万博では、「いのち」を起点とした8つのテーマ事業「シグネチャーパビリオン」を実施する。そのうちの一つが、宮田裕章・慶應義塾大学教授が手掛ける「Better Co-Being(ベターコービーイング)」だ。
同パビリオンは、万博会場のリングの中心にある森の一部に、天井や壁といった境界をなくした網目状の構造物を建築し、森と一体となって体験を提供する。
パビリオンの体験は大きく3つに分けられている。来場者はパビリオンの入り口でチェックインすると、シーケンス1で、「人と人との共鳴」をテーマにしたアートに触れながら、自己と他者を見つめ直し、他者に寄り添う、共鳴の手掛かりを得る。次に、「人と世界の共鳴」をテーマにしたシーケンス2では、来場者同士が繋がり、ポジティブな気象現象である“虹”を作り出す体験を通して、共に未来をつくることができるという実感を与える。「虹は消える瞬間も美しい。作られてから消えるまでの過程を共に見ることで、未来をつくり、その先に紡いでいくという体験を感じてもらいたい」(宮田氏)とする。天候が雨や曇りの場合は、虹がつくれないため、別の体験を用意する予定だ。最後の「人と未来の共鳴」をテーマにしたシーケンス3では、球体LEDに、その日の気象条件や集まった来場者の組み合わせで、都度異なる未来のイメージが表示され、多様な未来を共につくるといった体験ができる。15名程度のグループで回遊してもらう予定。
共鳴体験につながるキーマテリアルも公開
今回パビリオンでの共鳴体験のキーマテリアルになるのが、大林組が提供する「Better Co-Being アプリ」と、村田製作所が提供する「ふしぎな石ころ『echorb』」だ。
「Better Co-Being アプリ」は、来場者がお互いに何を考えているのかの共鳴をサポートするアプリで、ゆくゆくは街での体験価値の創出にも活用を予定している。万博の期間中、来場者の体験をアーカイブし、他者の多様な視点・価値観への気づきを促す。
「echorb」は、3Dハプティクスという技術を応用した振動による触覚と、フルカラーLEDによる7色の表現で、展示物との連携や、来場者同士のデバイスの同期による共鳴体験を提供する。例えば、特定のエリア(磁気フィールド)に入ると、「echorb」が一斉に周りの来場者と同じ色に点滅したり、振動などのアクションを起こし一体感を表現。また、他のエリアでは、連携によってそれぞれの持つechorbの色が混ざり合ってエリアに反映される。色の変更は、決められたエリアでデバイスを振るなどのジェスチャで行える。
宮田氏はパビリオンについて、「自分と他者を切り分けるのが、建築であったり、色々な概念の役割でしたが、これからはそうではない。一人ひとりが響きあいながら繋がり、広がっていく。そういった体験をこの空間の中でつくろうと考えた」と語った。
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