2024.10.2

進む! 石膏ボードの水平リサイクル

技術力で開発の課題をクリア、より高い環境貢献を目指す

使用済みの石膏ボードを回収して、再度石膏ボードとして水平リサイクルする「ボードtoボード」の取り組みが加速している。廃石膏ボードの再利用について、これまで課題となっていた強度を、気泡の配置の工夫や再結晶化などでクリアした。

石膏ボードは、原紙は古新聞などの古紙からつくられ、石膏は火力発電所や金属工場で生成される副産物を利用できる点で、もとより製造時の環境負荷が小さい建材という認識が根強い。

吉野石膏の「タイガーR50」

一方で、廃石膏の量は増加を続けており、国立研究開発法人国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターの「再生石膏粉の有効利用ガイドライン(令和元年5月)」によると、2016年に119万tだった排出量は、23年に150万tまで増加、今後も増える見込みだ。特に、戦後普及した石膏ボードを利用した建築物が建て替えの時期に差し掛かったことで、解体系の廃石膏ボードの増加が著しい。しかし、新築系の廃石膏のリサイクル率は約88%なのに対し、解体系の廃石膏は約58%と、未だに多くが埋め立て処分となっている。
また、すべての石膏が副産物由来ではなく、一部は海外から輸入された天然石膏を使用していること、副産物由来や海外輸入での供給は安定性がないことなどからも、業界では「ボードtoボード」が推し進められている。


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