グレーカラーの充実で要望に対応 シェア拡大に向けて非住宅市場開拓の強化も

ニチハ

人気が高いグレー系の新色を、普及価格帯の商品で拡充。上が「しぶきV」に追加した「シェルトグレー」、下が「シャルムロックV」に追加した「チャコール」

ニチハは人気商品のカラーバリエーションの充実など、ラインナップ拡充を図る。
一方で、非住宅市場へ向けて新工法の提案も強化し、サイディング市場のさらなるシェア拡大を図っていきたい考えだ。

ニチハは、外壁材のカラーとして近年人気を高めているグレーカラーの充実を図る。モエンエクセラード16 Vシリーズで新色追加を行い、「しぶきV」に明るめの「シェルトグレー」、「シャルムロックV」に濃色の「チャコール」、「アフェットV」には「ウォームグレー」と「シェルトグレー」の2つのグレーを追加した。「しぶきV」は根強い人気のある商品でありながら、これまで不足していたグレーのラインナップを補充する形で追加投入した。一方で、2つの異なるグレーを取り入れた「アフェットV」についても、グレーカラーのバリエーションを増やす意味合いもあり、今後の売れ行きに注視したいとした。厚み16㎜以上の金具施工品の中で普及品でもあるVシリーズは、ローコスト住宅や戸建分譲を手掛けるビルダーからのニーズも非常に高いシリーズだが、今回更にトレンドを反映するカラーの追加を行った格好だ。

昨年立ち上げた外装ブランド「+D(プラスディー)」にも新商品を投入。直線的なピースを組み合わせたボーダーデザインで、陰影感を強調した「ヴェルセ」は、彫りをR形状にすることにより、深彫りでありながらも柔らかさを演出できる点がポイントだ。さらに、同社は今後、「トレンドも追いつつ、ニチハらしい新商品を発表していきたい」(営業企画部サポートセンター)としている。

コーディネートしやすい軒天材の販売や非住宅向け新工法でシェア拡大へ

8月に発売した「軒天12 トリスタ」の「ティンバースタイル」。自然な木目デザインが印象的な商品で、内装・外装とのトータルコーディネートを提案

軒天材に新たなシリーズを拡充する。今年8月に軒天材の「軒天12 トリスタ」を販売。木目デザインの「ティンバースタイル」とエンボス調の「エンボススタイル」の2種類を用意しているが、特に「ティンバースタイル」については、戸建住宅で流行しているレッドシダーを感じさせるデザインが特長。ポイントは、専用の防火通気見切縁を使用することで軒先に釘頭が露出せずにすっきりと仕上げることができる点と、1820㎜サイズそのままで施工できる認定取得によって、奥行きのある軒先にも施工が可能な点等にある。木目の美しさにこだわり、複数の色味が織りなす意匠性によって、エレガントかつナチュラルな軒先の演出が可能という。

一方、2025年第一四半期(24年4月~6月)で、サイディング市場全体の59.6%のシェアを獲得している同社は、今後、戸建住宅市場の縮小が見込まれる中の成長戦略として、国内非住宅市場により一層力を入れていく。今年5月に発表した第一次中期経営計画(2024年4月~2027年3月)では、国内の非住宅売上について、2024年3月比1.5倍増を目指すと発表。これまでサイディングを使用していなかった建築物へのさらなる拡販を目指す。8月には、鉄骨造ロ準耐2号建築物への提案に最適な「プラスター・モエン防火構造」という新しい防火構造の認定取得を発表、低層の鉄骨造建築物に対し、新たな提案体制を構築した。また、「対象物件が膨大に存在する」(営業企画部サポートセンター)中高層建築物の改修市場において、サイディングの重ね張り改修の推進強化を図る考えで、同社独自の金属胴縁による重ね張り工法である「ニチハMARCシステム」を更に浸透させるべく力を入れている。非住宅市場については、窯業系サイディングと金属系サイディングを現場ニーズに併せて提案していく方針で、「当社の持っている資源を最大限に活用して非住宅市場を獲得していく」(営業企画部サポートセンター)と意気込んだ。

ニチハ お客さま相談室
TEL.052-220-5125
https://www.nichiha.co.jp/