千趣会/Lib Work、家を通販で売る新たな仕組み「ベルメゾンデイズハウス」
生成AIを利用したデジタルヒューマンによる接客ツールも開発
通販大手メーカーの千趣会が住宅メーカーLib Workと組み、住宅業界に進出した。自社の通販顧客マーケティングを強みに、オリジナル家具と統一感を持たせた注文住宅を開発。千葉から販売を開始し、全国に広げる計画だ。
通販大手の千趣会と、熊本の住宅メーカーLib Workがタッグを組み、新たな注文住宅ブランド「ベルメゾンデイズハウス」の販売を開始した。「ベルメゾン」は、女性向け商品を幅広く扱う千趣会が展開する通販ブランド。その中の代表ブランドであるベルメゾンデイズを「仕事も育児も家事も頑張りたい。女性と家族」をターゲットにリブランドを図り、その取り組みの1つとして住宅商品を提案する。戸建住宅ビジネスが厳しい時代になぜ参入するのかとの問いに、千趣会の梶原健司社長は「たくさん売るという戦略ではない。ベルメゾンデイズというインテリアブランドの中で、消費者の方々の意見を住宅商品に取り込み、住宅を通してお客様と新たなコミュニケーションを築きたい」と狙いを説明した。
強みとなるのは、女性を中心とした一定の顧客会員数を確保していることと、通販チャネルを持つことだ。2023年度(23年12月末時点)の通販購入者数は約163.1万人。その会員データベースや通販ノウハウを活用し、通販カタログやECサイト、SNSなどを通じて通信販売の形で販売展開していく。千葉市若葉区に完成したモデルハウスは、「家族と共に前向きに成長していく家」をコンセプトに、効率的な動線など家事や育児の負担を軽減する間取りと設備、無垢材など自然素材を採用。開放感ある空間や採光豊かな窓の設計で風通しのよい、快適な住空間とした。また、この住空間と統一感をもたせたテレビボードなどオリジナルの家具も開発。家の空間に合わせて、1㎝単位でオーダーできるようにした。9月20日から順次販売する。
初年度目標は30棟、全国展開も視野
本体価格は約2500万円から。まずモデルハウスのある千葉を中心とした関東圏で初年度30棟の受注、売り上げ約7~8億円を目指し、全国に広げていく。Lib Workの瀬川力社長は「住宅業界ではモデルハウスでの集客が難しくなり、ネット集客へと移ってきている。その中で千趣会さんが持つ通販チャネルを使って、業界に風穴をあけたい。通販というのは場所を選ばないのが強み。全国にこの商品を届けられるようなスキームを作っていきたい」と語った。
また、Lib Workは今回のプロジェクトに合わせ、住宅業界初となる生成AIを使ったデジタルヒューマンによる営業接客サービスも開発し、導入を計画している。これまで営業担当者が対応していた住宅商品の説明や性能、構造、土地などの情報提供や相談を、生成AIがサポートする。購入検討者はパソコンやスマホからアクセスし、24時間いつでも住宅に関する相談を受けることができるようになる。
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