2024.8.6

MFS、東証グロース市場に上場

モゲチェックの不動産会社利用拡大などで10倍の利用を計画

MFSが東証グロース市場に上場するとともに成長戦略を公表した。住宅ローン比較診断サービスと不動産投資サービスという2本柱のサービス拡大などを通じて成長を描く。

MFS(東京都千代田区、中山田明代表取締役CEO)が東京証券取引所グロース市場に上場した。

同社は、住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」、不動産投資サービス「INVASE」の2つのサービスを展開、2023年6月期の売上高は16億円(前期比90.5%増)で、内訳はモゲチェック事業が10億円、INVASE事業が6億円。24年6月期は売上高19億6500万円(同22.2%増)、営業利益△1億2700万円を計画している。

成長戦略について説明する中山田明代表取締役CEO

「モゲチェック」は15年にスタートしたサービスで、これまで日本になかったオンラインのモーゲージ・ブローカー。無料登録したユーザーの情報を分析、その信用力分析に基づいて借入・借換えの住宅ローンの提案・サポート、審査の申し込みまでを行う。金融機関への審査申込時に発生する手数料が収益で、サービス利用者は7747件/月。

「INVASE」は不動産会社や投資用ローンの借換をサポートする不動産投資サービス。不動産投資ローンの借入可能額を査定し、希望の不動産会社を紹介するもので、ローンの借換サポートサービスや売却査定サービスも提供する。また、アプリを通じて常時ユーザーに価格情報を提供、関連会社のコンドミニアム・アセットマネジメントが売買をサポートする。サービス登録数は約950件だ。
「上場は起業時から考えていた。資金調達の面もあるが、信用力が重要なサービスであり、上場により一つステージが上がる」(中山田CEO)と、MFSは新たなステージを迎えることになる。

不動産投資上の拡大見込み
INVASEのアプリ拡充など

今後の成長戦略について、「モゲチェック」は既存のオンライン事業の継続的な投資及び拡大をベースに、サービス改善による顧客取り込み、また、不動産会社を通じたオフラインでの顧客取り込みを計画しており、「成長の起爆剤」と位置付けている。サービス面では、信用力分析モデルを精緻化し正確なローン提案に結びつけるとともに、必要最低限の追加情報で審査申し込みができる金融機関を増加させる。また、「モゲチェック」を利用することでユーザーに手間なく最適なローンを提案できることを不動産会社にアピールするとともに、不動産会社がローンステイタスを把握できるモニタリング機能を追加、不動産サイトや不動産会社向けSaaS企業を通じて不動産会社の利用拡大を図る。まず、不動産会社30社程度との提携を見込む。これらにより「モゲチェック」の月間利用者を10倍以上にしたい考えだ。

一方、「INVASE」については、既存のウェブサービスに加え23年10月にリリースした「INVASEアプリ」を活用しサービスをプラットフォーム化する。例えば、価格情報とリスク指標を充実させるなどにより、まずはコンドミニアム・アセットマネジメントの物件仲介数の増加を目指し、マーケットシェアの拡大に取り組む。不動産価格が上昇するなか不動産投資市場への参加者が増加するものと見ており、「カギは不動産運用の透明性」と「INVASE」の利用拡大に注力する。