発泡スチロール協会、有効利用率100%を目指す 資源循環経済のモデルに
EPS断熱建材推進へ高断熱仕様の防火認定取得
2024年度の活動計画を公表した。「発泡スチロール(EPS)需要拡大のための広報活動の強化」と「資源有効活用・リサイクルの追求」に取り組む。
同協会は2010年6月設立(前身の発泡スチロール再資源化協会設立は1991年)。アキレス、カネカ、積水化成品工業、JSPの4社、日本フォームスチレン工業組合(成型加工メーカー118社)の正会員からなる。23年のEPS原料出荷量は、11万296トン(国産原料10万586トン、輸入原料9710トン)であり、前年比90.5%(マイナス1万1512トン)となった。国産原料は同89.9%(マイナス1万1285トン)、輸入原料は同97.7%(マイナス227トン)となった。用途別出荷量をみると、容器が5万5864トン(50.6%)と約半数を占め、次いで緩衝材・部材・その他が3万5788トン(32.4%)、建材・土木が1万8644トン(16.9%)と続く。分野別需要動向を見ると、建築・土木分野は、住宅着工件数が4.6%減少したことで建材関連のEPS需要はマイナス基調、土木関連は若干の回復傾向で推移した。出荷量は1万8644トン(同93.5%)とマイナスの結果となった。その他、水産部門、農業部門、弱電部門など、全ての分野においても前年を下回る結果となった。
同協会は、EPSの資源循環の取り組みに注力する。23年の使用済みEPSの有効利用率は92%、9万9875トンあった。その内訳はマテリアルリサイクルが51.0%、5万14トン、エネルギーリカバリー(発電付焼却など)が41.0%、4万267トン、単純焼却・埋立などが8.0%、7911トン。22年4月には「プラスチックに係わる資源循環の促進等に関する法律」が施行され、各企業、自治体において使用済みプラ製品の回収の取り組みを強化している。また、海外においては、22年から始まったプラスチック汚染を防ぐための国際条約交渉が第4次会合まで進み、年内に第5次の会合が開かれ条約案が出る予定。環境負荷低減、資源消費抑制は、EPSに限らずプラスチック業界にとってきわめて大きな課題となっている。大久保知彦会長(JSP代表取締役社長)は、「24年度のスローガンは、引き続き『発泡スチロールの優れた特性で地球環境を守ります。』をビジョンとして掲げた。地球環境を守る持続可能な社会の実現に向けて、発泡スチロールの特性などの理解を深め、高いリサイクル率を維持し、資源としての有効利用率100%を目指す。EPSが資源循環経済のモデルとなるべくお客様、関係団体、行政と協力して進めていく」と述べた。
また、EPS建材推進委員会は、住宅高性能化の動きに対応して、地域、部位別の各製品仕様基準(製品名と厚みの一覧)を同協会HPに掲載。断熱等級4、5に引き続き、新たに断熱等級6、7のEPS使用例も掲載した。さらに、高断熱仕様のEPS付加断熱工法による防火認定を取得。木外装/EPS付加断熱/繊維系断熱充填/軸組・枠組に加えて、24年6月に窯業系外装仕上げの防火30分大臣認定を取得した。高断熱仕様の住宅比率が増加する中でEPS付加断熱への問い合わせも増えており、誘導基準やさらなる高断熱仕様への対応として、モルタル外壁などの仕様でも防火大臣認定を進めていく。加えて、EPS断熱材の長期断熱性能(200年後まで安定)も他の断熱材にはない強みであり、「設計時の暖かさ、涼しさが長期にわたり持続する点も併せて訴求していきたい」考えだ。
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