2024.8.9

建研/住木センター/一条工務店、十勝川実験水路で耐水害住宅初の実河川実験

水害時に住宅が受ける力や各部への作用など貴重なデータを採取

(国研)建築研究所は、(公財)日本住宅・木材技術センターおよび、一条工務店と共同して北海道・十勝川千代田実験水路で耐水害住宅の実大水理実験を実施した。今後、採取したデータの分析を進め、研究・開発に生かす。

一条工務店が開発した耐水害住宅初となる実河川での実大水理実験を(国研)建築研究所、(公財)日本住宅・木材技術センター、一条工務店が6月、北海道・十勝川千代田実験水路で行った。同社は2015年の鬼怒川氾濫を機に耐水害住宅の開発を始め、国の研究機関と共同で実証実験を重ねた後、20年9月に発売した。これまでの実大実験は、国の大型研究施設である(国研)防災科学技術研究所内に巨大な流れるプールのような仕組みを作り、その中で豪雨、洪水を再現する形で住宅の性能を確認してきた。今回は実際の河川を用い、自然に近い洪水の状態で詳細なデータを取る狙いがあった。耐水害住宅の開発に携わり、今回の実験責任者でもある特建設計部 平野茂 部長は念願の実験だったと説明する。「実際の水流の中で耐水害住宅がどういう状況になるか詳しく調査したいと思い、2年前から今回の場所を訪ね、実験できるかどうか打診をしてきた。しかし、大規模な実験水路は国内ではこの場所しかなく、近年治水、堤防に関する研究が非常に盛んに行われるようになっていることから、この先10年ぐらい既に実験予定が埋まっているので難しいという回答だった。今年に入ってから堤防決壊実験に合わせて下流域に試験体建物を建築し、実験を行う事を検討しているとの話があり、実現した」。


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