プラチナ構想ネットワーク、森林循環経済のロードマップを作成
都市木造を加速、儲かる林業の実現へ
(一社)プラチナ構想ネットワーク(東京都千代田区、小宮山宏会長)は、「プラチナ森林産業イニシアティブ」を立ち上げ、昨年公表した「ビジョン2050 日本が輝く 森林循環経済」で示したビジョン実現に向けた推進戦略及びロードマップを取りまとめた。今後、林業から木造都市・バイオマス化学などに連携した森林資源フル活用事業のケーススタディを富山で始め、全国で展開する。
昨年公表した「ビジョン2050 日本が輝く 森林循環経済」では、我が国が豊富に有する森林資源をバイオマス化学・木造都市など多面的・循環的に最大限活用し、脱炭素化、経済安全保障強化、地方創生及び森林文化の醸成を同時実現することを示した。このビジョンの実現により、2050年に21年比で4倍の森林資源活用、1割のCO2削減、3.6兆円/年の輸入削減、4.7兆円/年の直接効果が生み出されると試算する。今回、そのビジョンを実現するため、「産官学民の総力を挙げて森林循環経済を実現」、「リサイクル&バイオマス化学の早期立ち上げ」、「木造都市の加速」、「儲かる林業の実現」の4つの柱からなる50年までの推進戦略とロードマップを取りまとめた。
この中で特に、住宅業界への影響が大きく、市場拡大が期待されるのが「木造都市の加速」、「儲かる林業の実現」だ。
「木造都市の加速」では、建築基準法施行令改正で「90分耐火構造(最上階から5階以上9階以下の建築物=2時間から90分耐火へ)」が創設されたことを踏まえ、木造都市の将来像として、50年までに「9階建てまでをできるだけ木造化・木質化する」という高い目標を掲げる。既存建築物の基礎はそのまま活用できるため、既築のRC造やS造の建替えを有望領域とし、宿泊・飲食サービス業、教育・学習支援業、医療・福祉分野などでの展開を図る。目標の実現により、都市部の建築物などを木造化・木質化することで形成される『第二の森』の炭素固定量は、今後29年間(21~50年)で6億6700万t‐CO2と想定する。日本の森林(第一の森林)の炭素固定量の約1割相当の炭素固定を目指す。
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