家庭の最終消費エネは05年度がピーク
【白書を読み解く】資源エネルギー庁「エネルギー白書」
大きな社会課題であるエネルギー問題。なかでも大幅な削減か求められているのが家庭部門の最終エネルギー消費だ。住産業が大きな役割を担う住まいの省エネは、今、どのような推移になっているのだろうか。
日本の最終エネルギー消費量は、2005年度をピークに減少傾向にある。22年度は実質GDPが前年度比1.5%増であったにもかかわらず、最終エネルギー消費量は同3.3%の減少だ。また、日本のエネルギー効率(1単位のGDPを生み出すために必要な一次エネルギー供給量)は、1973年度の70PJ(ペタジュール)/兆円から、22年度には半分以下の33PJ/兆円にまで減少しており、エネルギー効率は大きく改善してきた。21年の日本の実質GDP当たりのエネルギー消費はインドや中国の4分の1から3分の1程度であり、世界で最も省エネが進んでいる欧州の主要国と比較して遜色ない水準となっている。
ただ、ライフスタイルの変化、世帯数の増加などを背景に、高度成長期以降エネルギー消費量は急増してきた。「地球温暖化対策計画」では「30年度に温室効果ガス46%削減(13年度比)」を目標に掲げており、エネルギー消費量削減は依然、国の最重要課題であることは間違いない。
一方、エネルギー供給をみると、21年度の化石エネルギー依存度は86.7%と、原子力の割合が高いフランス、再エネの導入が進むドイツなどと比べると高い水準にあり、この化石エネルギーのほとんどを海外から輸入していることから、その安定確保が大きな課題となっている。
エネルギー自給率をみると、1960年度は国産の石炭などにより約6割を賄っていたが、石炭から石油への燃料転換が進み自給率は大幅に低下、東日本大震災による原子力発電量の減少により、14年度は過去最低の6.3%にまで落ち込んだ。その後、再エネの導入や原子力発電所の再稼働などにより上昇傾向となってはいるものの、22年度のエネルギー自給率は12.6%と低い水準にとどまる。エネルギーの安定確保という側面からも、エネルギー消費量の削減、エネルギー効率のさらなる向上が望まれる。
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