少子化の進行は危機的状況

【白書を読み解く】国土交通省「国土交通白書」

少子化の進行が危機的な状態にある。少子化は、経済規模の縮小、産業や社会の担い手不足、地域の衰退など、経済や社会に深刻な影響を及ぼす。持続可能な暮らし、社会の実現に向けて、少子化に歯止めをかけ、出生率を向上させる対策が強く求められている。

我が国の就業者は、ここ20年で急速に高齢化が進んでおり、今後、高齢就業者の大量退職や、少子化による若年層の就業者の減少が見込まれることから、担い手不足の深刻化が懸念される。2023年の産業別就業者の年齢構成比を見ると、全産業の就業者のうち、55歳以上の高齢就業者の占める割合が31.9%であるのに対し、29歳以下の就業者の占める割合は16.7%にとどまっている。建設業及び運輸業について見ると、全産業平均に比べ、55歳以上の割合は高く、29歳以下の割合は低く推移しており、高齢化が進行している。

人口減少による労働力の減少が見込まれる中では、新技術の活用により省人化・省力化を図り、生産性を向上させていくことや、生産性の飛躍的な向上に結び付くイノベーションの創出が重要である。令和6年度国土交通白書では、そうしたイノベーションのひとつの例としてセレンディクスの3Dプリンタ住宅を挙げている。22年3月、日本初の3Dプリンタ住宅「serendix10」(10㎡)を23時間12分で施工することに成功。翌年7月には、2人世帯向け3Dプリンタ住宅「serendix50」(50㎡)を44時間30分で完成させた。住宅建築分野における省人化の動きが、建設産業全体に浸透していき、こうした3Dプリンタの導入による施工の効率化が主流になっていくかもしれない、と展望する。


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