2024.5.29

トヨタホーム、獨協大学前〈草加松原〉で産学官連携のまちづくりに参画

東武鉄道と連携し373区画の大規模戸建分譲地を整備

獨協大学前〈草加松原〉で産学官が連携するまちづくりに参画した。かつての“東洋一のマンモス団地”再開発の一環で、東武鉄道と連携し373区画の大規模戸建分譲地を整備。ソフト面から継続的なにぎわいと交流の創出に取り組む。

草加市、獨協大学、UR都市機構、東武鉄道、トヨタホームの5者は、埼玉県草加市の獨協大学前〈草加松原〉駅西側地域における産官学連携によるまちづくりについての協定を締結した。
かつて“東洋一のマンモス団地”とも言われた旧松原団地を中心とした総面積約54haのエリアでは、開発から約半世紀が経過した2003年から、老朽化や住民の高齢化といった課題に対応するため草加市、獨協大学、UR都市機構の3者が、協定に基づく連携により、多様な世代の共生、グリーンインフラや防災拠点の構築、教育の提供、団地の再生など、ハード面を中心に、豊かな住環境を整備してきた。

今回、東武鉄道とトヨタホームを加えた5者により、多世代が繋がり、学び、誰もが活き活きと暮らせる未来を育む「WELL BIND(ウェルバインド)」をコンセプトに各者が連携を図る。5者が住民や事業者、地域団体との連携を通して、ソフト面でも継続的なにぎわいと交流を創出し、同地域の活性化に資することを目指したまちづくりを行う。各者が所有する施設を活用し、地域内における取組の情報発信、多世代の共生及びコミュニティ活動の推進、教育や研究活動の地域還元などに取り組む。

戸建住宅地内クラブハウス前でテープカット。左から、東武鉄道 岩瀬豊常務、獨協大学 前沢浩子 学長、山川百合子 草加市長、UR 都市機構 東日本賃貸住宅本部 丹澤謙一 東京北・多摩・埼玉地域本部長、トヨタホーム後藤裕司 社長
2003年からの団地再開発で、自然と共生しながら豊かなコミュニティを育むまちへ大きく変貌している

トヨタホームは、東武鉄道と連携した街区整備による373区画の大規模な戸建住宅地の開発を進める。トヨタホームが中心となり、パナソニック ホームズ、ミサワホームのPLTグループで、分譲住宅販売を分担して販売。建設したモデルハウスを販売する。第一期販売(トヨタホーム9棟、パナソニック ホームズ2棟、ミサワホーム1棟)は6月15日から開始。年間50棟のペースで、7~8年をかけて販売する計画だ。ZEH、太陽光発電、エコワン、HEMSなどを標準で装備、販売価格は7000万円台となる。また、住宅外観やまちなみに関する協定を設けて、統一感のあるまちなみを創出する。

旧松原団地には約6000戸の賃貸住戸があったが、2003年からの再開発で、新たにUR賃貸3050戸を再生、そのほか、民間の分譲マンションなどの整備も進む。今回の373戸の戸建分譲住宅も含めて、団地再開発後も約6000戸の住戸が供給される計画だ。

トヨタホームは近年、事業多角化の一環として、街づくり事業に注力する。埼玉県の南栗橋では最新のモビリティサービスなどを導入した分譲地開発を産官学連携で進め、22年5月にまちびらきを行った。この実績が大きく寄与して、今回の獨協大学前〈草加松原〉でのまちづくり参画に至ったという。トヨタホームの後藤裕司社長は、「付加価値を高めたまちづくりにこだわり、ビジネスを展開していく」と話す。