住友林業レジデンシャル、外国人向け賃貸住宅をリニューアル
首都圏で年間1棟、60戸ペースで増やす計画
自社保有の外国人向け賃貸住宅「芦花公園留学生会館」(東京都杉並区)をリニューアルオープンした。今後増加が見込まれる外国人の中長期居住者向けに年間1棟、50~60戸ペースで同様の施設を増やしていく計画だ。
住友林業レジデンシャルは住友林業の100%子会社で、賃貸物件のサブリース・管理事業などを行っている。芦花公園留学生会館は、同社が保有する築35年の外国人向け賃貸住宅。敷地面積は約988㎡、65戸の全室がドミトリータイプで広さは約12㎡。最寄駅から徒歩6分という好立地に建つ。今回、物件の老朽化に伴う大規模修繕に加え、拡大する外国人マーケットを取り込むモデル物件として、「木質感あふれる住空間」、「安心安全で便利な設備」、「外国人に最適な管理サービス」の3つを軸にリノベーションした。リノベーションにあたっては住友林業グループの総合力を集結し木質感を前面に押し出した。同社が企画・監修、エイムクリエイツが設計・施工、住友林業クレストが玄関に設置するウッドタイルなどの木質部材の供給、スミリンウッドピースが館内デザインの製作を手掛けた。
「木質感あふれる住空間」では、木彫ルーバーや木彫フェンスなどを採用して外装を改修。ラウンジなどのコミュニティスペースには、木彫のタイルを採用するなど入居者が安らげる空間を創出。居室は現在の入居者が退去した後に順次、床と家具などを木質化する。
「安心安全で便利な設備」では、コミュニティスペースに共用キッチン、ラウンジを備え、コインランドリー、共用ロッカーなどを設置した。そのほか遠隔管理のWEB防犯カメラ、オートロック、スマートロックなどを導入、宅配便の置き配にも対応する。居室には家具家電を常設、寝具を有料で提供するサービスも用意。来日時に必要最低限の荷物で即入居できる。
「外国人に最適な管理サービス」では、多言語による入居前案内、生活面のサポート、リモートサービス、遠隔対応による入退去手続の簡略化などに注力する。
日本に永住や長期滞在する外国人の数は年々増えている。法務省の統計によると2022年に300万人を突破し、23年12月末時点で341万人となった。首都圏には137万人が居住。15年の調査では、外国人世帯のうち半数が民間の賃貸住宅で暮らしており、今後も増加が見込まれている。
24年2月時点で、同社は今回の自社物件を含め、首都圏にサブリースで外国人向け賃貸住宅5物件(282戸)を管理している。今後増加が見込まれる外国人の中長期居住者の需要を取り込むため、今回の物件を皮切りに、オーナーと協議し合意を得た上で首都圏5つの管理物件を順次リノベーションしていく考えだ。また、企業の社員寮などをサブリースで借り上げ、年間1棟、50~60戸ペースで外国人向け賃貸住宅を増やしていくことも検討している。
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