「未利用材」とは何か? 木材利用をあるべき姿に
利用期を迎える国産材を活用して林業の成長産業化に導くにはどのような取り組みが求められているのか。林材ライターの赤堀楠雄氏が地域で芽生える国産材活用の事例をルポする。
建築材に使える丸太も燃やされている
先日、旧知の製材業者を訪問した際、社長が「ぜひ見てもらいたいものがある」と言って、ある木質バイオマス発電所の燃料置き場に案内してくれた。中には入ることはできず、道路際から見ることができただけだが、そこには大量の丸太が積まれ、そして明らかに製材や合板といった資材の製造に使えそうな丸太が少なからず混ざっていた。
「こんな丸太も燃料にしてしまうんですか?」と私が驚いていると、社長は「驚くでしょう。だけど、そうなんですよ」と顔をしかめ、「本当ならウチで引き取りたいんですけどね。だけど、ダメだっていうんです」と続ける。
社長が経営する製材所は、建築向けの一般製材品のほかに土木用の矢板(土留め用の板)やバタ角(荷物の下敷きにする角材)も製材している。私が「これが燃料材?」と驚いた丸太は、土木用材を製材することはもちろんできるし、建築用材にもなりそうなものがかなりあった。それらをマテリアルとしては利用せず、エネルギーにはするものの、燃やして煙と灰にしてしまうというのである。なんてもったいないことをするのだと腹立たしくなった。
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