[アンケート]住宅産業の成長に向け挑戦、開拓すべき領域とは?
ハウジング・トリビューンは「記念カンファレンス 花びら産業を目指して」の参加者に「住宅産業が『花びら産業』として新たな成長、発展を続けるために、今後、挑戦、開拓すべき領域、事業は何か」についてアンケートを実施した。それらの回答からは、すそ野が広く、さまざまな可能性が広がる住宅産業の姿があらためて浮き彫りになっている。
価格、性能、愛着…そして住まいの姿とは
アンケート回答で最も多かったのが「これからの住宅の在り方」に関するものだ。人々のライフスタイルは”個”が重要視され、暮らしに対するニーズは多様化の一途をたどっている。それでは、その器となる住宅には何が求められるのだろうか。
今、部資材価格の上昇、地価上昇などから住宅価格が高騰するなか、住宅は高値の花となりつつある。こうしたなか「アフォーダブル住宅」の重要性を指摘するコメントがあった。「住宅ローン改革で購入の仕組みづくりを」と、住宅価格そのもののコストダウンだけでなく、安く取得できる仕組みづくりを求める。
また、「お手がる高性能住宅」を求めるコメントもあった。「高性能住宅は高すぎる。使わないものをはぶいて安価で使えれば住宅が欲しくなる」というものだ。住宅の高性能化は今後も追い求められるべきテーマであることは間違いなかろうが、同時にコストとのバランスが重要になる。
「環境と快適を兼ね備えた住宅」や「環境、エコ、省エネ住宅の推進」、「世界標準の住まいの居住空間へ!」、「健康長生き住宅」などは、これからの住宅開発において不可欠な視点となろう。特に「Net ZERO」や「オフグリッド住宅」など、エネルギーに関する取り組みは、環境問題が深刻さを増すなかで住宅産業が果たしていかなければならない必須項目としてさらに強く求められることは間違いない。
何をどこまで求めるのかの追求は、そもそも住宅とは何かという問いに行きつきそうだ。
その一つの解として「3Dプリンター住宅」をあげる声もあった。「高品質かつ迅速、安価に提供できる」として今後の普及に期待をかけている。また、3Dプリンターなどにより「従来からある有名な建築、プランなどの再利用」という新たな方法もありそうだ。
「性能と見合った価格の納得感のある住宅。中古流通やローンにも反映」と、質の高い住宅へとストックを置き換えていき、ストック全体を底上げしていく必要がある。「良質な住宅への挑戦」が良質なストックづくりへとつながることは間違いない。
また、「ちょっとぜいたくなくつろぎ空間」、「チョコトレ住宅」、「DIY住宅をもっと‼」などの回答は、暮らす人の”個”の実現とあわせて、家そのものを楽しむ場とするというものであろう。
そして住まいとは何か。時を重ねるほどに大切にしたくなる「愛着住宅」、年月を経なければ出ない価値を持つ「歳時住宅」こそが、次代に住み継げる住まいということができるのではないか。
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