YKK AP、新会社設立でヘルスケア事業へ本格参入
検知技術で疾患の早期発見に取り組む
YKK APがヘルスケア関連企業と連携して、商品・サービスを開発する新会社を設立した。レーダーセンサーなどを用いた検知技術で疾病の早期発見に取り組む。
YKK APは、人々の健康で快適な暮らしへの貢献を目指し、ヘルスケア関連商品・サービスの企画・開発・販売を行う新会社「YKK APヘルスケア株式会社」(東京都千代田区)を1月22日に設立した。資本金は1億円で、YKK APが100%出資する。
同社は、ヘルスケア関連機器を製造する企業との連携を通して、レーダーセンサーをはじめとした様々な最先端の検知技術を用いて建物内での健康管理モデルの創出を進めるとともに、インテリア建材など既存の事業領域に関連したYKK AP独自のヘルスケア商品・サービスの開発を行い、新たな顧客価値の提供に取り組む。
YKK APは、冬の寒さや結露が、ヒートショックやアレルギーなど居住者の健康リスクにつながるとして高断熱窓の推進と啓発活動を行ってきた。例えば、2021年より断熱性の高い樹脂窓にリフォームすることで健康につながる効果をさまざまな視点で発信するプロモーション「HEALTHCARE MADO」を開始し、特設サイトなどに樹脂窓を採用した家族が感じたヘルスケア効果の体験談や、専門家との対談コンテンツを掲載し高断熱窓を訴求している。一方で、魚津社長は23年の就任時にYKK APを世界のリーディングカンパニーとするべく、新規事業を強化すると発表していた。
2030年に120億円を目標にビルダーや工務店に提案
ヘルスケア社の代表取締役社長に就任した手嶋健博氏は会社の設立について「YKK APでは、これまで高断熱窓による健康影響について啓発してきたが、今後はこの『建物の高断熱化による健康の維持』(健康リスク予防)という観点に加えて、YKK APヘルスケア社にて、検知技術の活用による疾患などの早期発見に取り組むことで、人々の健康で快適な暮らしに貢献したいと考えている。新会社設立によって、YKK APグループがヘルスケア(健康管理)事業を本格的に取り組んでいくということを広く社会に知っていただきたい」と意気込む。今後はこの「建物の高断熱化による健康の維持」(健康リスク予防)という観点に加えて、YKK APヘルスケア社にて、検知技術の活用による疾患などの早期発見に取り組む。例えばインテリア建材などに検知技術を導入し、高血圧や糖尿病などを発見、住まい手に注意喚起を促すモデルを描いているという。
商品・サービスの提供時期は未定だが、2030年までに120億円の売り上げを目標に取り組みを強化していく。まずは、販売先を限定して、商品・サービスを提供し、その後、全国のビルダー・工務店への提案を計画している。
手嶋健博
代表取締役社長
YKK APヘルスケア社は、検知技術の活⽤による疾患などの早期発⾒モデル創出に取り組むことで、人々の健康で快適な暮らしに貢献したいと考えています。
また、YKK AP既存事業の取り組みである「建物の高断熱化による健康の維持」(健康リスク予防)に加えて、YKK APヘルスケア社の「建物内での健康管理」(早期発見)の取り組みによって、予防から早期発見までの健康ワンストップ提案という新たな顧客価値の提供を目指していきます。
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