23年の新設住宅着工、82万戸を割り込む
前年比4.6%減で3年ぶりの減少に
国土交通省が発表した2023年の新設住宅着工戸数は前年比4.6%減の81万9623戸となった。3年ぶりに前年実績を下回った。
利用関係別では、持家が同11.4%減の22万4352戸となり、2年連続での減少。貸家は、同0.3%減の34万3894戸となり、3年ぶりに減少に転じた。分譲住宅も同3.6%減の24万6299戸となり、3年ぶりの減少となっている。分譲住宅のうちマンションは同0.3%減の10万7879戸、戸建住宅は同6.0%減の13万7286戸、いずれも厳しい状況を強いられている。一方で、地域別に見ていくと、分譲マンションで前年実績を上回っている地域もある。例えば、首都圏が同0.7%増となっているほか、中部圏が同4.3%増、近畿圏が同3.2%増となっており、分譲マンションは好調さを取り戻しつつあるようだ。
住団連 景況感調査の注文住宅
金額・戸数9期連続マイナス
(一社)住宅生産団体連合会の「経営者の住宅景況感調査」令和5年度第3四半期(2023年10~12月)においても、注文住宅は受注戸数マイナス31ポイント、受注金額マイナス17ポイント、金額・戸数ともに9期連続のマイナスで、注文住宅の受注は依然厳しい状況にある。会員企業からは、「物価高や実質賃金低下、景気の先行き不安から集客減が長引いており、受注戸数は減少」というマイナスの声が多い一方、「大型化や特殊物件の受注割合が多くなってきており、受注単価は上昇傾向」というコメントもあった。第4四半期の受注見通しは、受注戸数マイナス4ポイント、受注金額プラス17ポイント。「子育てエコすまい支援事業等の施策により住宅購入に前向きな気配は生まれたが、依然として景気の先行き不透明な状況は払拭できておらず顧客の様子見状態は続く」、「日銀の金利政策次第では、変動金利の上昇も懸念される」といった厳しい見通しが目立った。
好転しつつあった戸建分譲住宅についてもブレーキがかかる。第3四半期の実績は、受注戸数マイナス6ポイント、受注金額プラス25ポイントとなり、受注戸数は前回のプラスから再びマイナスとなった。「一次取得層の購買意欲低下がみられることに加え、各社の競争も激化」、「立地によって新規発売プロジェクトの勢いに差があり、首都圏エリアを中心に昨年同期を大きく下回った」などのコメントが見られた。
そのほか、第3四半期の低層賃貸住宅の実績は、受注戸数プラス32ポイント、受注金額プラス59ポイントで戸数・金額ともに2期連続のプラス。リフォームの実績はプラス17ポイント。見通しもプラス46ポイントで12期連続のプラスとなった。
不振が続く注文住宅を、他部門でカバーするという傾向は続きそうだ。
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