能登地震、仲代さんの祈り/北陸は文化資源の宝庫
能登地震、仲代さんの祈り
「とにかく生きてほしい。お互い元気で再会したいと祈るばかりです」と呼びかけ、「一緒に頑張りましょう。」――との激励のメッセージ。発信したのは俳優の仲代達矢さんだ。令和6年元日の能登半島地震は北陸地方を襲い、なかでも奥能登をはじめとする石川県に甚大な被害をおよぼした。石川県七尾市の被害も大きく、仲代さんの激励メッセージも主に七尾市に向けてで、被災地に大きな勇気を与えている。
仲代さんと七尾市の縁は仲代さんが主宰する俳優養成所、無名塾が同市で1985年から合宿を始めてからだ。地元の人たちと交流を続けるなか、七尾市は演劇のまちづくりを構想。その拠点として1995年に演劇専用ホール「能登演劇堂」を建設、名誉館長に仲代さんが就いた。仲代さんは2022年8月に東京の日本記者クラブで俳優生活70年を記念し、能登演劇堂での“いのちぼうにふろう”公演について会見したが、その時にも能登の自然と地域の人々の温かさに触れ、「能登本来の美しさを発見することが文化なんです」と能登への愛着の深さを口にし、能登からの演劇文化の発信をうたった。91歳になる仲代さんだが、今年の秋公演で“反戦”を意識した「肝っ玉おっ母と子どもたち」の舞台に立つことを表明していた。そういえば、先きの記者会見でも“平和”と揮毫していた。こんどの能登半島地震でも、TV、新聞等に映し出される悲惨さは戦争をも連想させるほどであり、仲代さんの“平和”への想いが増幅される。
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