パナソニック 空質空調社、独自方式採用の天井埋込型加湿ユニット
全館空調と組み合わせて快適な空間を実現
独自の遠心破砕加湿方式を採用した天井埋込型の加湿ユニットを発売する。加湿量の自動コントロール、メンテナンス手間の削減などが特徴で、全館空調と組み合わせることで快適な空間を実現する。
住宅の高気密・高断熱化が進むなか、パナソニック 空質空調社が住宅向けの天井埋込形加湿ユニット「AQUA Sitter(アクアシッター)」を2024年3月1日に発売する。
高気密・高断熱住宅の普及とともに全館空調の採用が増加、住宅内を均一の温度に保つ家づくりが広がっている。こうしたなかで課題として指摘され始めているのが住宅内の乾燥だ。空気が暖められると相対湿度は下がることになるが、10℃で相対湿度51.1%の外気を取り込み、室内で20℃とすると相対湿度は27.7%に、30℃とすると15.8%にまで下がるという。乾燥のし過ぎは不快なだけでなくウイルスが活発化する危険性がある。ただ、湿度が高すぎてもカビやダニの発生のリスクがある。快適な空間づくりは健康的な暮らしにもつながるわけだ。
乾燥防止には、一般的に置き型の空気清浄機・加湿器が置かれることが多いが、加湿フィルターの交換などのメンテナンスが欠かせない。また、各部屋で大きなスペースを取ることや、シーズンオフ時の収納場所などの問題もある。
こうした課題の解消に向けてパナソニック 空質空調社が開発した商品が「アクアシッター」である。
天井埋め込み型の設備であり、全館空調と組み合わせることで加湿した空気を各部屋に送り込み、家中の湿度を24時間自動で制御する。大きな特徴は、同社独自の遠心破砕加湿方式を採用したこと。高速回転するディスクから遠心方向に吹出した水滴を壁面にぶつけて微細化し気化させる方式で、一般的な加湿フィルターを用いるものと異なり、モーターの回転数をコントロールすることで加湿量を細かく制御することが可能だ。湿度センサーを搭載しており、快適な室内湿度を実現するための加湿量を自動でコントロールする。
また、水道と直接つなげ給排水を自動化した。遠心破砕加湿方式により加湿フィルターもないことから、従来の加湿器のような給水タンクの持ち運び、水の入れ忘れによる停止、加湿フィルターの清掃などが不要だ。
熱源となるヒーターがないことから省エネであることもポイント。同社によると3LDKの住宅に4台の据置型加湿器を設置した場合に比べて消費電力を32%削減できるという。また、加湿しながら暖房をすると体感温度が高まり、エアコンの設定温度を低くすることができ、アクアシッターの併用によるエアコンの電気代削減も期待できる。
同社は、全館空調熱交換気システム「with air(ウィズエアー)」を販売しているが、この設備型加湿ユニットを同商品専用のオプションとして販売する。さらに一般的な全館空調にも組み合わせが可能な設備型加湿ユニットとして「アクアシッター」を販売していく。
「高気密・高断熱住宅の広がりのなか全館空調市場の見通しは明るい。全館空調の普及で加湿ユニットの市場も広がっていくと考えている」(住宅企画推進部 IAQ販促企画課 井筒大輔課長)と、初年度1200台の販売目標を掲げる。希望小売価格は25万8000円(税別、工事費別)だ。
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