[2023年の重大ニュース]関東大震災から100年

気候変動で問われる新たな防災・減災のかたち

デジタル化する避難・救助支援、オフグリッド住宅での在宅避難

関東大震災から100年となった2023年。イベントなどで、防災への意識付けが図られる一方で、現代の社会問題に対応した災害対策が必要となる。こうしたなか、データ連携や創エネなどの提案が進んでいる。

1923年9月1日に発生した関東大震災から100年を迎えた2023年。内閣府は関東大震災100年の特設サイトを設け当時の状況や復興までの道のりを解説、国民の防災意識向上を図った。また、各地で大規模な防災訓練やイベントが行われた。

一方で、近年の災害は気候変動などによりかつてとは異なる対応が求められる。世界の年平均気温は、100年で0.74℃上昇、日本の年平均気温は100年で1.30℃上昇している。これに伴い、降雨量も変化、全国の1時間降水量100㎜以上の平均年間発生回数は、統計期間の最初の10年間(1976~85年)と最近10年間(2013~22年)でおおよそ2倍になっている。

環境省は23年7月、気候変動による災害激甚化に関する影響評価結果を公表、それによると、令和元年東日本台風(台風第19号)及び平成30年台風第21号と同様の台風が地球温暖化の進行した世界で襲来した場合、2℃上昇シナリオ、4℃上昇シナリオのいずれにおいても、台風がより発達した状態で上陸する可能性が示された。また、中心気圧が実際の台風に比べて低下するとともに、降水量が増加し河川での氾濫のリスクが高まることや、風が強まることで風害や沿岸や河川の河口付近での高潮による浸水のリスクが高まることが示された。

こうしたなか、現代の状況に合わせた新たな災害対策が進んでいる。

データ集約・活用で迅速な避難、救助活動へ


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