[アイジー工業]原点回帰で金属サイディングの認知度向上に努める

現場の人が参加しやすい体感フェアを各地で開催

アイジー工業は金属サイディングの戸建住宅への採用拡大のために一層の周知を図る。全国各地でミニ展示会「アイジー体感フェア」を開催し、現場に近い人への提案を強化するなかで他素材との組み合わせ提案など新たな需要を喚起する。

アイジー工業は、原材料の高騰などを背景に、他社に先行して2年連続での価格改定を行った。その結果、高級品のイメージが強くなり、気軽に採用しにくい商品になってしまったとする。一方で、外壁材の中で独自の存在感を確立する金属サイディングを使いたい層は多く、様々な提案活動を行っていく。

そのひとつが、他素材との組み合わせ提案の強化だ。「ワンポイントでの採用であれば、金属素材を扱ってこなかった住宅事業者でも取り組みやすい」(営業第1部 原田康部長)とし、金属らしさが映える素材の組み合わせ方を模索、カタログにも事例を増やす。

また、今年4月からカラーラインアップを拡大。金属サイディングを検討する施主にアウトドア好きが多いことから、「SP-ガルブライト」を始めとする主力商品に、アウトドア好きから人気の高い「カーキ」色や、内装材で流行している「ライトアッシュ」や「グレージュ」といったニュアンスのあるグレーを追加。ターゲット層の関心や生活スタイルを分析したうえでの商品提案を進めていく。

今年4月から発売を開始した「SP-ガルブライト」の新色、カーキ。ユーザーニーズにマッチした商品提案を行う
今年3月に開催した「アイジー体感フェア」所沢会場。地域密着で金属サイディングの良さを体感してもらう

現場に近い距離でミニ展示会を開催
施工体験やコーディネートセミナーも

商品の認知度向上のために、全国各所で「アイジー体感フェア」と称したミニ展示会を開催する。アイジー工業は毎年、札幌、大阪、東京で商品展示会のアイジーフェアを開催しているが、「アイジー体感フェア」はそれとは別の位置づけとした展示会だ。同社のことを知らない地域の住宅事業者がアイジーフェアに足を運ぶのはハードルが高いこと、郊外で金属サイディングの採用物件が多いことから、「アイジー体感フェア」は地方都市で地域密着で開催する。地方都市で開催することで、現場で働く人が休憩時間などを利用して気軽に来場できると期待する。特に関東圏では金属サイディングを使った住宅が少なく、馴染みがないため、同社側からのアプローチが必要だとみている。実際に今年3月に開催した埼玉県所沢市の会場では、職人だけでなく、金属サイディングの採用を検討する一般の来場者もあったという。今後は、11月2日に千葉県市川市で開催するほか、名古屋市や高知県などでも予定している。

「アイジー体感フェア」では、商品の展示に加え、施工体験や住宅外観コーディネートのセミナーも行う。施工体験では、模型を使って施工の流れを解説したあとビス止めなどの実践を行い、金属は部材が多く傷つきやすいというイメージを払拭したい考え。また、建築家を外部講師に招き金属サイディングのコーディネートのポイントを紹介する。

金属サイディングの新築戸建住宅におけるシェアは7%ほど、同社の商品は3%ほどとみている。原田営業第1部長は「シェアを伸ばすには新規の顧客を増やすことが必要になる。原点に立ち戻って、より多くの人に知ってもらうところから始める」と新しい層の獲得に注力する。近年は、テレワークの普及で都心から郊外に移り住む人も多いため、そうした層への訴求方法にも力を入れていく。

アイジー工業
TEL.0237-43-1810
https://www.igkogyo.co.jp/