2023.9.11

国交省、令和6年度概算要求まとめる

子育て世帯の住宅取得支援を強化

国土交通省は「令和6年度 概算要求」をまとめた。「こども未来戦略方針」を踏まえ、子育て世帯の住宅取得支援などを強化する。

「国民の安心安全の確保」、「持続可能な経済成長の実現」、「個性をいかした地域づくりと分散型国づくり」を重点項目とし、一般会計で23年度当初予算比19%増の7兆389億円を要望した。

住宅関連では、23年6月に閣議決定した「こども未来戦略方針」を踏まえて「こどもまんなかまちづくり」を加速する。具体的には、子育てにやさしい住まいの拡充を目指し、子育て環境に優れた公営住宅や、子育て世帯向けに民間空き家の活用を進めるなど、子育て世帯の住宅取得支援を強化する。「住宅金融支援機構による子育て支援」(拡充)では、子育て世帯などが無理なく質の高い住宅を取得できる環境を整備するため、住宅金融支援機構の提供する「フラット35」などについて、金利の引下げなどの制度見直しを行う。民間金融機関が提供した住宅ローンを住宅金融支援機構が買い取ることで、国民に根強い需要のある「全期間固定金利の住宅ローン(フラット35)」の普及を支援。住宅金融支援機構は、自らが発行する債券(MBS)によって投資家から買取資金を調達することで、国費によらない自主的な財源確保を実現(住宅ローンの証券化)する。

住宅・建築物におけるカーボンニュートラルの実現に向けた支援も強化する。「住宅エコリフォーム推進事業、住宅・建築物省エネ改修推進事業」(拡充)では、前年度、住宅の省エネ改修に係る支援メニューの見直しを行った。改修に要する費用の実態などを踏まえて、省エネ改修の推進に向けて支援を強化する。「中大規模木造建築の普及加速化に向けた支援」も継続する。木造化の未開拓領域であり炭素貯蔵効果が期待できる中大規模木造建築の普及に資する優良なプロジェクトに対して支援を行うとともに、コストや施工性などにおいて高い競争力を有し広く展開できる構法の技術開発に対する支援への重点化を図る。

住宅ローンの証券化により、「全期間固定金利の住宅ローン(フラット35)」の普及を支援する

また、空き家対策、所有者不明土地などの対策および土地利用などの促進も行う。「空き家対策総合支援事業、空き家再生等推進事業」(拡充)では、人口や世帯数の減少を背景として増加する空き家がもたらす問題に適切に対応するとともに、子育て世帯に対する住宅支援の強化や、移住・二地域居住の促進のため、空き家の活用促進に係る取り組みへの支援などを強化する。また、空き家対策の効率化や空き家活用の促進のため、空き家対策におけるDXの推進に向けた取り組みを強化する。

さらに地方への移住促進を図るため、移住者への住宅取得などを強化。「フラット35における移住支援」(拡充)では、東京一極集中の是正に向けた取組みとして、住宅金融支援機構の提供する「フラット35」の金利引下げ制度「フラット35地域連携型」を拡充し、地方への移住者を対象とした金利引下げによる住宅取得支援を強化する。