男女共同参画白書 職業観・家庭観が大きく変化
仕事・家事で活躍できる「令和モデル」実現のチャンス
若い世代を中心に、生活様式や働き方についての考え方が変わってきている。
こうした変化を機に、全ての人が希望に応じて、家庭でも仕事でも活躍できる社会、「令和モデル」へ切り替えていくことが求められている。
これまで、女性活躍や仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)について考える際には、主に女性、特に夫婦と子供から成る世帯の女性の置かれている状況、就業継続や仕事と家庭の両立に着目されることが多かった。しかし、単独世帯が増加する中、男女問わず、自分の親の介護と仕事を両立することが必要となる人が増加している。ひとり親世帯が増加する中、夫婦間ではなく、ひとりで仕事と育児を両立させる必要がある人も増加している。男女共同参画白書は、今こそ、ワーク・ライフ・バランスは、女性だけでなく、男性や、多様なライフコースを歩んでいる全ての人にとっての問題でもあると、改めて認識する必要がある、と指摘する。
また、若い世代を中心に職業、家庭に関する意識が変わってきている。未婚女性の理想のライフコース、未婚男性の将来のパートナーに対する期待を見ると、結婚や出産にかかわらず職業を持ち続ける「両立コース」が、結婚や出産を機に職業をやめるが、子どもが大きくなったら再び職業を持つ「再就職コース」を大きく上回る。長期的に見ると男性の平均給与額は下がっていることに加え、このところの物価高の影響もあり、片働きで家族を支えることが現実的に難しくなってきており、これからはますます共働き世帯が増加することが見込まれる。
加えてコロナを経て、社会全体の意識も変わりつつある。長い間推奨されながらもなかなか進まなかったことがコロナ禍で一気に進んだ。例えば、企業のテレワーク導入率は、令和元(2019)年は約2割にとどまっていたが、令和3(2021)年で5割を超えた。
地方移住相談件数は、令和3(2021)年度は、調査開始以降、最多の件数となった。しかし、現在、テレワーク実施率はコロナ感染拡大期よりも下がり、地方移住については、東京都で3年ぶりに転入超過が拡大するなど、コロナとの共存の中で、一部、コロナ前に戻る動きもみられる。とはいえ、家族の姿が変わっている今、生活様式、働き方を元に戻すのではなく、コロナ禍の経験から学び、コロナ前よりもより良い状態にすることが強く求められている。
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