【地震災害】地震大国“日本”における地震対策 既存住宅の耐震化を急げ

必ず発生する巨大地震への備えを

地震大国と言われる日本。これまで何度も巨大地震による「大震災」が発生してきた。日本で暮らしていく上で、もはや地震への対策は欠かせない。

1923年に発生した関東地震(関東大震災)から今年で100年を迎える。これまでに北但大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災と、複数回の「大震災」が起こり、その間には新潟地震や熊本地震など大規模な地震が発生している。

地震は地下で起きる岩盤のズレによって生じる。日本列島周辺はユーラシアプレート、北米プレート、フィリピン海プレート、太平洋プレートの4つが入り組んでおり、非常に地震が発生しやすい地盤だ。国土技術研究センターによれば、2011年~20年の間に世界で発生したマグニチュード6.0以上の地震のうち、17.9%が日本周辺で発生したというデータもある。

政府の地震調査委員会の試算によれば、今後30年以内に首都直下地震が発生する確率は約70%、死者は2万3000人、建物の全壊・焼失棟数は約61万棟と推定されている。また、同じく南海トラフ地震が発生する確率は約70~80%、死者は32万3000人、建物の全壊・焼失棟数は約238万6000棟にのぼるという。明日、すぐにでもこうした巨大地震が発生する可能性がある。

地震災害対策として「一丁目一番地」と言われるのが建物の耐震性向上だ。関東大震災では推定10万5000人が亡くなっているが、地震の揺れによる住宅の全半壊が約20万棟以上発生し、1万人以上が倒壊に巻き込まれて死傷した。また、死者のうち約7万人は東京で亡くなっているが、これは軟弱な地盤で揺れが強く、強風のなか木造密集地で大規模な火災が発生したためである。

この被害を契機に当時の「市街地建築物法」が改正され、耐震基準が法律上初めて明記された。その後、「市街地建築物法」は50年に「建築基準法」に置き換わり、現在で言うところの「旧耐震基準」が制定。以降、耐震基準は大きく2回の改正が行われた。

一度目は、78年に発生した宮城県沖地震を契機として81年に耐震基準が改正され、「新耐震基準」が確立された。新耐震基準では中規模地震(震度5強程度)において「建物がほとんど損傷しない」こと、大規模地震(震度6、7)において「建物が倒壊しない」ことを定めた。

しかし、95年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)では新耐震基準の住宅でも1階の倒壊や亀裂、傾きの発生といった被害が少なからず見られたことから、00年に再び建築基準法が改正され、「2000年基準」として新たな耐震基準が施行された。同基準では、木造住宅の基礎形状、壁の強さが建物全体で均一であること、柱頭・柱脚・筋かいの接合方法などを明記し、木造住宅の建築基準をさらに強化した。

耐震化の進捗は?
都心と地方では耐震化率に格差


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