マンホーラーの季節(?)/必見の下水道映画
マンホーラーの季節(?)
8月を“熱月”とはよく言ったもので、熱中症警戒アラートなるものまでが発出される。「皮を脱いで、肉を脱いで骨だけで涼みたい」は誰の句か。芭蕉だって詠む。「蛤の口しめている暑さかな」と。
ただ、このなかで熱く燃えている群団がいる。いわゆるマンホーラーたちだ。7月28日から第20弾となる“マンホールカード”が全国27自治体から27種類発行されるのだ。このマンホールのデザインはその土地に縁のある名所、名物、人物、スポーツ、キャラクターなどを描き、工夫を凝らしたご当地モノ。可愛いさ、美しさが評判となり、マンホールと一緒に写真を撮る観光客や各地のマンホールを訪ね歩くファンも出てくるほど。“マンホーラー”の出現だ。
そして、この人気をカタチにしようということで作成されたのがマンホールカード。国土交通省が音頭を取り、全国ネットの組織、下水道プラットホームが下水道への一般の理解を深めるためにつくり始めたところ、話題となり、カードを集めるコレクターが急増した。いまや第1弾の2016年4月の発行から今回の第20弾で、累計668自治体・団体から968種類、総発行枚数は1050万枚に達するという。カードにはコレクションナンバー、ピクトグラム、デザイン説明・由来などが記されている。そして、何よりコレクターたちの心をくすぐるのが、無料配布ではあるものの現地に行かなければ手に入らないということ。現地に行き、役所や観光案内所など指定された場所に行って初めて1枚をゲットできるのだ。このため四国巡礼の御朱印よろしく、カードを求めて旅するマンホーラーも出てくる。こうなると、まさに相乗効果で、観光客の誘致や地域起こしの手段としてデザインマンホール、マンホールカードをつくる自治体も増える。
詳しくは下水道プラットホームのHPを見てほしいが、思わず笑みがこぼれる楽しいものばかり。例えば、絵柄で桃太郎は岡山、金太郎は南足柄、タヌキとくればぶんぶく茶釜の館林。東京も頑張る。葛飾区はモンチッチで生誕の地をアピール、北区はマンガ「東京都北区赤羽」の著者・清野とおるさん本人をモチーフに赤羽の魅力を発信。赤羽のハッピーマンホールとして踏むと幸せになると人気だ。練馬区は今年2月に亡くなった松本零士さんの居住地とあって銀河鉄道999のメーテル、あしたのジョーの矢吹丈など。千代田区はお茶ノ水に手塚治の鉄腕アトム、お茶の水博士、ウランの3人をマンホールデザインに。ただカードはアトムだけの1枚。さらに調布市は水木しげるのゲゲゲの鬼太郎、日野市は没後150年にちなんで新選組の土方歳三。東久留米市は手塚治のブラックジャック、清瀬市は10万本が咲くひまわりと市の職員による養蜂で知られることからひまわりと蜂のデザイン。まぁ、紹介していったらキリがないわけで―。
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