(一社)日本建材・住宅設備産業協会、グリーン建材・設備の国際標準開発などを推進
リフォーム市場活性化、建築BIMへの対応なども重点課題
2023年度に重点課題として取り組む6つの事業を発表した。グリーン建材・設備の海外市場の拡大のほか、リフォーム市場活性化などに取り組む。
気候変動、コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻などの世界情勢は、住宅・建築物の脱炭素化の加速、消費者意識の変容、エネルギー・資材価格の高騰などの形で住宅産業界に影響を与えている。こうした情勢変化を踏まえ、(一社)日本建材・住宅設備産業協会がまとめた23年度の重点事業は、国際標準化の推進、リフォーム市場の活性化などで、「協会のプレゼンスを高めていく」(堀秀充会長)。
重点事業でまずあげられるのが、グリーン建材・設備製品に関する国際標準化事業だ。これは経産省からの委託事業であり、省エネ・省資源型建材・住宅設備の海外市場拡大を目的とするもの。グリーン建材・設備の会がその拡大に向けて国際標準の開発やJIS等のアジア諸国への展開を進める。昨年度に一度事業の終期を迎え、今年度から3か年の新たな事業期間へと移行、建材・住宅設備の標準化活動のプラットフォームを目指す。
もうひとつ、経産省からの委託事業として取り組むのが、人とIoT住宅との協調安全に関する国際標準の開発だ。これまでもIoT住宅版SOTIF規格のIEC新規提案と、同規格普及のための基盤整理などに取り組んできており、今年度は規格原案の作成に本格的に着手する。
また、リフォーム市場の活性化を図るために、制度の検討、政策要望、普及啓発を行う。特に、消費者の嗜好が高まっている「健康」に着目し、健康に資する建材・住宅設備の評価基準づくりなどを展開していく。
そのほか、建材・住宅設備のデジタルカタログ検索サイト「カタラボ」のさらなる機能や認知度の向上、中小工務店へのZEHや断熱リフォーム、優良断熱材の普及、ホルムアルデヒド・VOCの発散の少ない建材、調湿建材、抗菌製品の登録・表示事業などに取り組んでいく。カタラボについては、23年6月時点で200社以上2000冊以上のカタログが掲載され、リモートワークの定着なども相まって検索機能が増加している。
また、中小工務店に対するZEHや断熱リフォーム、優良断熱材の普及について、優良断熱材を認証し「優良断熱材認証マーク」を表示する制度の運用やYouTubeでの断熱リフォーム施工の動画公開などの活動を進める。
これらに加え、新たな課題への対応として「物流2024年問題への対応や価格転嫁・取引適正化の推進、建築BIMの対応といった住宅・建築のサプライヤーとして業界が直面している問題にも積極的に取り組む」(堀秀充会長)と活動を通じて協会の存在感をさらに大きなものへとしていく姿勢を示した。
総会後の懇親会には、経済産業省製造産業局の山下隆一局長、ならびに、国土交通省住宅局住宅生産課の山下秀和課長が登壇。「国内経済が大きく動き出したなか、GXなどを官民一体となり推進していきたい。住宅関連では大きな補正予算が組まれている。世界的に日本の位置づけが変わるなかで、今こそ前に出ていただきたい」(山下隆一局長)、「室内温熱環境の改善は健康面にも好影響をもたらす。こどもエコすまい支援事業や先進的窓リノベ事業の申請も着実に積みあがっている。引き続き3省で協力し、住宅の省エネ化へ力添えをしたい」(国交省・山下秀和課長)と挨拶をした。
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