アイジー工業、金属サイディング事業の“復活”へ
展示会などの開催で顧客接点を強化
23年度の経営方針として金属サイディングの復活を掲げ、21年度水準までの回復を目指すとした。展示会などの対面の場を活用して顧客接点の強化を図り、製品を訴求していく。
アイジー工業が22年度の実績と23年度の経営方針を発表した。22年度の売上高は250億円(前年度比2%増)と過去最高を記録し、2年連続の増収となった。
ただ、売上高の半分強を占める主力の金属サイディングは同8%減、販売量ベースで同18%減となっており、苦戦を強いられた。
主な要因にはアイアンショックによる原材料費の高騰、フッ素鋼板からポリエステル鋼板への切り替えによる影響の長期化、メインターゲットである持家一戸建着工数の低迷がある。
こうしたサイディングの不調をカバーしたのが金属系屋根材のルーフとヴァンドだ。ルーフの売上高は同23%増、ヴァンドは同9%増と好調に推移した。
ルーフは住宅リフォーム需要の増加から売上を伸ばした。30年ほど前に施工したスレート屋根が今、一斉に寿命を迎えてきているためだ。スレート屋根には石綿が使用されているケースもあり、廃棄が難しいといった問題がある。同社の「スーパーガルテクト」は、スレート屋根の上からルーフィングを敷き、その上に被せるだけといった施工性の高さがリフォームにおいて注目を集めている。また、遮熱性、断熱性の高さも人気の理由だという。
一般建築用のヴァンドは、物流施設や工場、倉庫など大型の非住宅建築の着工が増加したことから採用数が上向いた。
こうしたなか、同社は23年度の経営方針としてサイディングの販売数量を21年度水準まで回復させることを目標のひとつに据え、サイディング事業の立て直しを図っていくとした。そのための施策として、顧客との接点を強化する。例えば、6月~7月にかけて開催した今年度の「アイジーフェア」では「アイジーサイディングの完全復活」をテーマに掲げ、実際に商品を見てもらいながら対面で営業を行うことで、かつての顧客をもう一度呼び戻すことを狙った。
さらに、営業時には窯業系との差別化を訴求していくことで、着実に採用件数の増加につなげていく方針だ。
機能面として、アイジーサイディングは8mの長尺に対応しており、2階建て建築であれば上から下まで継ぎ目なしで対応できるため、すっきりとした外観を演出できることなどを打ち出していく。
一方、デザイン面では23年4月に新色を展開。「SP-ビレクト」にトレンド色のグレー系であるライトアッシュ、「SP-ガルブライト」にこれまで金属系では採用されてこなかったカーキ、「NP-テセルブリック Ⅱ」にさまざまなタイプの住宅コーディネートとマッチするグレージュを追加した。
こうした施策の結果、23年6月末現在の販売数量は、21年同期比10%減程度まで回復してきており、手応えを感じている。
森安弘社長は「今後も展示会などリアルの場で地道に営業をかけていくことで、顧客に再度アイジーサイディングの良さをアプローチしていく」と意気込みを語った。
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