(一社)輸入住宅産業協会、輸入住宅版“スムストック”構築に向け始動
メンテや改修の相談窓口を開設し会員が個別に対応
輸入住宅産業協会は「IHIO認定優良既存住宅制度(仮称)」の構築に向けて動き出した。協会にメンテナンスやリフォームの相談窓口を設置し、会員が個別に対応する。今後、品質を確保した輸入住宅流通市場の構築を目指す。
(一社)輸入住宅産業協会が「IHIO認定優良既存住宅制度(仮称)」の本格展開を開始した。品質が担保された輸入住宅が市場で評価され、取引きされる仕組みを目指し、まずフェーズ1として協会が窓口となりリフォームや手直しの相談を受け付け、各地の会員が対応する仕組みの運用を開始した。
同協会の品質向上委員会は、2019年からアフターマーケット市場に対する取り組みを進めてきた。輸入住宅は1990年代半ばに大きなブームとなったが、現在では、事業者が撤退したり、部材が輸入されなくなったりと、しっかりとメンテナンスされてこなかった既存輸入住宅が多くあるとみられる。
こうした既存輸入住宅に暮らすユーザーに対し、同協会が点検、メンテナンス、リフォームのプラットフォームを構築、さらに品質基準や工事基準を明確化し、これらをクリアした住宅を「IHIO認定優良既存住宅(仮称)」として認定、不動産市場で高く評価されて流通する仕組みを構築する。
この取り組みのベースとなるのが、協会が点検やメンテナンスで困っているユーザーの相談先となるということ。今年4月に協会に相談窓口を設け、ウェブにランディングページを開設して本格的な対応をスタートした。協会がユーザーの一次対応を行ったうえで、相談者の地域ごとに協会の正会員会社が個別の対応を行う。主に事業から撤退したり倒産したりした事業者が建築した輸入住宅のオーナーからの相談を想定している。今後、SNSなどを活用しての告知に力を入れていく。
この点検やメンテナンスにおいては、すでに国内で部品が手に入らないケースが想定される。また、リフォームでは輸入住宅ならではのデザイン性を重視した提案などが強く求められそうだ。こうしたことから同協会では(一社)国際建材・設備産業協会(IBMF)と連携して輸入建材・設備の提案行っていく考えだ。
こうしたフェーズ1で構築したBtoCのビジネススキームをベースに、フェーズ2で不動産市場での転売スキームを構築する。ここでは取り扱う不動産会社のメリットをいかに生み出すかが課題となる。輸入住宅は一般的に省エネ性など性能の高さやデザイン性の高さを魅力としていることが多く、一般的な木造住宅と異なるストロングポイントになりそうだ。
そしてフェーズ3で最終的な輸入既存住宅の優良認定制度を構築する。大手ハウスメーカーが展開するスムストックの輸入住宅版をイメージしており、しっかりとメンテナンス、リフォームした輸入住宅の品質について協会が担保し、その価値が流通市場に反映される仕組みづくりを目指す。
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