ポラスタウン開発、フェーズフリーを取り入れた災害に強い街づくり
防災拠点や開かれた外構で共助を後押し
防災に力を入れた分譲住宅「ディスカバリープロジェクト東武動物公園 コネクト・コミュニティ」を開発した。ユニソンや日本防災環境と協力し、災害に強い街づくりを行った。
エクステリアメーカーのユニソン、防災対策の多角的な支援を行うNPO法人日本防災環境の意見を取り入れ、分譲住宅「ディスカバリープロジェクト東武動物公園 コネクト・コミュニティ」(埼玉県宮代町)を開発した。
同社は、昨年より「環境」、「コミュニティ」、「防災」の3つを柱として分譲地開発を進める方針を示しており、今回は方針決定後の第一回目となる分譲地だ。
身の回りにあるものを日常だけでなく非日常時にも役立てるフェーズフリーの考え方を採用し、災害時に防災拠点として使用できるよう、分譲地内の公園にかまどベンチやソーラー付きLED街路灯、井戸などを設置した。防災拠点には住民主導の管理組合を組織し、消火器体験などのイベントを開催する予定。住居内も、非常食を収納できるパントリーや、雨水タンク、ポータブル電源などの設備が充実している。日本防災環境の監修のもと、地震による歪みで扉が開かなくなることに備えた分散収納や、高い場所にものを置かないように、収納棚を低めの位置に設置するなどの工夫も施す。
設備と共に、非常時に重要になってくるのが共助による避難だ。ポラスタウン開発の内田里絵企画設計リーダーは、「防災について、設備や間取りを整えるだけならば分譲住宅でなくてもできる。街づくりをしている私たちだからこそできる防災の形を実現したかった」と、分譲住宅の居住者同士での共助を推進する。例えば、分譲地の入り口を2か所に絞り、住民があたりを回遊するような設計となっている。また、ユニソンの提案をもとに街とつながりを持たせる外空間を目指した。家庭菜園を行えるポタジェやウッドデッキなどを設置し、外で過ごす時間が増えるようにすることで、ほかの住民と顔を合わせる機会を創出する。
物件は「ファミリー」、「ペット」、「Dinks & Active Senior」の3スタイルを用意。様々な世帯、価値観の人が集まる相乗効果で活気が生まれ、高齢化で衰退しないような街づくりを心掛けた。「ファミリー」は、子どもの工作などを飾れるウォールギャラリーや片付け用のキッズストレージなど子どもの自主性を育む住まいになっている。「Dinks & Active Senior」は、趣味を楽しめる土間アトリエやセカンドリビングを設置。「ペット」は、臭いに強いクロスを使用したペット専用の半個室や、滑りにくいフローリングの使用などペットがストレスなく暮らせるようになっている。また、ペットスタイルの棟は1か所に集約してあり、ペットを話題にした会話の発生や、旅行時などに預けあえるような関係性をつくり、分譲地内のコミュニケーションの架け橋としたいとしている。
現在、全37棟の半分の売り出しを開始しており、40組がモデルハウスを見学、3棟が契約済みとなっている。まだまだ防災へのユーザー意識は高くないとして、どのようにして防災の大切さを訴求していくかを今後の課題としている。
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