2023.6.21

ポラスガーデンヒルズ、緑・エクステリアとコラボした自然あふれる分譲街区

地設権設定で緑の回廊、広場などを実現

グリーンクリエイター、YKK APと協働した戸建分譲街区が大きな注目を集めている。敷地面積200㎡以上で、地設権の設定で緑あふれる街区を実現した。

グリーンクリエイター、YKK AP との協働による緑あふれる「ノエン柏・逆井」

ポラスグループのポラスガーデンヒルズが開発した戸建分譲団地「ノエン柏・逆井」(千葉県柏市)は、もともとブルーベリー畑であった南ひな壇傾斜の土地で、緑豊かな環境に囲まれる第一種低層住居専用地域。ただ、建蔽率30%・容積率50%であり大きな建物を建てることができない。こうした条件を生かし実現した街は全8区画、土地面積は約200~230㎡、建物面積は約100㎡とゆとりあるもの。さらに地設権(一定の目的のため他人の土地を利用する権利)を設定し、街の中に居住者がシェアできるさまざまな空間を設けた。具体的には、大きな木の下に石のテーブルを設置してくつろげる空間「くつろぎの縁」、クローバーが敷き詰められ子どもたちが駆け回ることができる緑の広場「広縁」、そしてこれら空間と住宅をつなぐ自然あふれる「園路」である。

敷地が広い分価格は4080万~4480万円と高額になるが、「付加価値を高め魅力ある物件とすることで相場より高くても評価される」と企画した。事実、購入者は自然あふれる街づくりのコンセプトを気に入った人ばかりで、特に首都圏居住者が多かったという。

この外構計画についてコラボしたのがestplus17のガーデンクリエイター・小西範揚氏だ。同氏は九州に広大な自然農場を持ち、多種多様な樹木を生産しながら提供している。また、エクステリアはYKK APエクステリア本部クリエイティブデザインLABとのコラボだ。YKK APは建物と外構との一棟丸ごと提案に力を入れており、ポラスガーデンヒルズと考え方が一致することから、すでに数回の協働を行っている。緑とエクステリアによっていかに価値を上げるか、プロジェクトのスタート時から三者で意見交換などを行い、街を作り上げていった。

例えば、縁路やくつろぎの縁には、保水性の敷石が敷かれ、要所要所にベンチが設置される。プライベートとパブリックの境界はフレームレールを用い緩やかに仕切る。雨水タンクや立水栓なども設置した。

一方、住宅は、こうした自然とのつながりを重視して設計、プランニングされ、ソトの心地よさを暮らしの中に取り込む工夫が随所に施されている。例えば、住宅を囲む塀をなくしウチとソトの両方から一体的な広がりのある開放的な空間、リビングと繋がった土間などである。また、窓からの景色も大事にし、コミュニティゾーン、くつろぎの縁などどこか一カ所から必ず見ることができる間取り、窓の配置を計画した。外装・内装は極力シンプルに白を中心とする。植栽が生きるよう配慮したもので、「敷地のなかに家が点在するような、別荘地に近いイメージ」を実現した。

住宅ニーズの多様化、市場の変化のなかで、分譲住宅においてもコストパフォーマンス重視の家づくりだけでは物足りず、より差別化された魅力ある住宅を求めるユーザーが増えている。「ノエン柏・逆井」は、そうしたユーザーに応える一つの形を示したといえる。