LIXIL、断熱等級6以上向けの全館空調を発表
室内温度の均一化など新技術で課題を解決
LIXILは、断熱等性能等級が6以上の住宅をターゲットとした全館空調を発表。
低容量、低風量ながら住宅全体を快適な温度に保つことができる。
全館空調は、家の中の空調を一括で制御するシステムのこと。空間ごとの温度差が小さくなるため、ヒートショックの予防などが見込める。近年、住宅の断熱強化の流れを追い風にその関心は高まりつつあり、市場は拡大を続けている。富士経済の予測では、2030年には全館空調の市場規模が400億円にまで拡大するというデータもあり、注目度の高い市場だ。
この全館空調市場にLIXILが参入する。同社は、カーボンニュ―トラル社会の実現に向けた事業活動を推進しており、今回は、すべての住宅における省エネと快適で健康な暮らしの実現のためのSW工法リフォーム・まるごと断熱リフォームに続く施策となる。ZEH推進事業部の笠井達也事業部長は「全館空調は、太陽光発電システム、蓄電池と並んで、住宅設備の三種の神器としてあげられるようになっている」と、新設住宅着工数が落ち込むなかでも、全館空調は成長を続ける市場だとして期待感を示した。
低容量・低風量ながら高さによる温度差を軽減
同社が6月より発売する全館換気空調システム「エコエア Fine」は、低容量、低風量の全館空調システムで、“体感すれば欲しくなる”がコンセプトだ。本体サイズは換気と空調が一体となって、柱1本分程度。ダクトの直径も小さくなっているため、大きな梁の下を通すことができる。
外から取り込んだ空気を左側の換気ユニットで浄化、熱交換を行い、空調ユニットへ運ぶ。空調ユニット内の熱交換器やダクトには、空調を使用していないときも換気システムの空気が流れるため、カビや湿気の心配も少ないという。
「エコエア Fine」の開発には、5年を要しており、「後から市場に参入するメリットは、先に出た製品から学べること」(笠井事業部長)というように、これまで全館空調の課題として挙げられてきた部分の改善に努めた。
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