LIXIL住宅研究所、「すごい家」の換気・除菌・脱臭効果を実証
除菌・脱臭装置+光触媒フローリングの高い効果などを確認
24時間空調換気システムの換気効果や、除菌・脱臭装置の除菌効果などをモデルハウスで確認した。実棟での実験により実際の暮らしに近い環境で効果を実証した。
LIXIL住宅研究所がコンセプト住宅「すごい家」の除菌・脱臭装置の実証実験結果を公表した。除菌・脱臭の検証は、通常ダミーや個々の製品・建材ごとに行われるもので、住宅一棟での実物大の実証実験はほとんど行われない。
同社は2021年10月に「すごい家 ver0」のモデルハウスを埼玉県越谷市に建設、その販売を開始した。同社が展開するアイフルホーム、フィアスホーム、GLホームという3つのブランドの枠を超え、業界のトップランナーを目指すコンセプト住宅的な意味を持つ。開発テーマは冬場どこにいても暖かい家、いつも空気がきれいな家、安心して暮らせるストレスフリーな家、の3つで、断熱性能はHEAT20のG3、24時間熱交換換気システム搭載、光触媒チタンメッシュフィルター採用の空気清浄機などを採用する。さまざまな新しい技術を取り入れて展開を図る高性能・高機能な住宅だ。
今回発表したのは、開発テーマの一つである「いつも空気がきれいな家」を実現する「24時間熱交換換気システム+高気密+光触媒塗布床材」について、その除菌・脱臭の性能について越谷市のモデルハウスで実験を行った結果だ。実験には第三者機関「バイオメディカルサイエンス研究所」が協力した。
換気性能は、窓を開けずに24時間空調換気システムを稼働させた状態で室内にCO2を発生させると、ピーク時には1200ppmを記録したが、その後30分で約半分の600ppmに、1時間で約1/3の400ppmに減少。気密性が高いことから換気システムにより効率よく換気できていることが分かった。なお、厚生労働省では健康リスクが高い状況を回避するためCO2濃度1000ppm以下を推奨している。
空間除菌については、除菌・脱臭装置を停止した状態では光触媒フローリングの除菌性能により緩やかに除菌効果が表れたが、除菌・脱臭装置を作動すると約60分間で高い除菌効果が得られた。除菌・脱臭装置+光触媒フローリングによる除菌効果が実証され、花粉などのアレルゲンにも同様な除染効果が期待されるとしている。
脱臭機能については、アンモニアを用いた脱臭効果試験を行い、臭気判定士による6段階評価を行った。結果は、60分後には強い臭気のレベル4からほとんど無臭のレベル1までに下がり、脱臭効果が判定された。また、VOCをセンサーで連続測定した結果では60分でレベル1以下の検知できない値にまで減少した。
この実証実験の結果により、(一社)レジリエンスジャパン推進協議会の「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化対象)2023」において、「STOP感染症大賞」の最優秀賞を受賞した。
「今後も、さらに色々な技術を高めバージョンアップを図り、生活の質向上とライフサイクルコスト向上を図っていきたい」(加嶋伸彦社長)と健康維持、環境性能の向上に取り組みを加速させる考えだ。
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