ハウゼコ、立平金属屋根材の生産・供給体制を拡充
コスト低減、短納期対応が可能に
ハウゼコは通気層を持つ立平金属屋根材「デネブエアルーフ」の生産・供給体制を拡充する。コスト低減、短納期対応が可能になるため、一層の拡販につなげていきたい考えだ。
日本の屋根材の市場が急変している。近年、スレート瓦、粘土瓦を抜いてガルバリウム鋼板を用いた金属屋根がシェアトップとなった。ガルバリウム鋼板は表面のメッキ層が亜鉛とアルミニウムの構成で、高い耐久性を発揮する。しかし、住宅の耐久性という面からは、金属屋根では野地合板表面の水分が下地材や野地合板を腐朽させるというトラブルが頻発している。一般的に金属屋根では、通気層がなく、金属屋根下にあるアスファルトルーフィングや野地板の透湿性が低いため、一度水分がたまると排出されないことが大きな原因となっている。通気層を形成するために網状の下地材を用いる、あるいは二重構造にすることにより、通気層を設ける方法はあるが、コストや手間がかかるため、普及には至っていない。
こうした背景を踏まえ、ハウゼコは、立平金属屋根材「デネブエアルーフ」を開発。独自の形状に加工した通気リブと透湿ルーフィングの組み合わせで、野地板面の湿気を運ぶ空気層をつくり、乾燥状態に保ち、腐朽リスクを低減する。さらに、換気・通気部材のメーカーとして、デネブエアルーフと組み合わせて使用する軒先換気部材、換気棟なども用意。軒先から換気棟まで連続して通気・換気することができる。
神戸睦史社長は「唯一無二の製品であり、施主指定で採用が決まるケースなどが増えてきている。住宅の高性能化が求められる中で、屋根断熱の住宅が増え始めている。これまで以上に屋根の耐久性への配慮した家づくりが求められていく。デネブエアルーフを普及させ、屋根でも通気工法が当たり前という市場に変えていきたい」と話す。
しかし、現状ではデネブエアルーフは、鉄鋼一次問屋であり、金属屋根材などを製造販売するメーカー1社のみが製造する体制。ハウゼコが完成品を受け、さらに商社を通じて鉄鋼二次問屋に卸し、工務店などに供給しており、コストや納期の面で課題があった。板金工場で加工されたものを現場に持ち出し施工する一般的な立平葺き金属屋根などと比べて、輸送費などを含めてコストアップとなることは避けられず、また、1枚だけ金属屋根が足りないといったケースでも納期に時間がかかるといった課題があった。そこで、デネブエアルーフの製造・供給を担う鉄鋼一次問屋、金属屋根材メーカーから、鉄鋼二次問屋である2社が、デネブエアルーフの製造ライセンスを受け、製造機械も貸与することで、生産・供給体制の拡充を進めている。2023年9月から鉄鋼二次問屋も含めて、デネブエアルーフの受注を開始する予定だ。「鉄鋼二次問屋は、地域の工務店などと直接取り引きをしているため、クイックレスポンスが可能になる。従来に比べて、コスト低減効果が期待でき、短納期が可能になる。まずは、関西エリアに限定し、ファンを増やしていきたい」(神戸社長)考えだ。
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