ネイチャーポジティブという新潮流

積水ハウスは、自然と語り合う庭づくりのための新しい庭木提案「5本の樹」を行っている。この成果について琉球大学久保田研究室などと共同検証を行い、世界初の都市の生物多様性の仕組みを構築した

脱炭素に続き、ネイチャーポジティブが新たな潮流となりつつある。過去100年間の人間活動の影響により、種の絶滅速度はこれまでの地球の歴史から見ても異常な速度で急上昇し、地球の生物多様性は危機的な状況にある。2021年6月のG7サミット(英国)では、「2030年自然協約」を制定、「2030年までに生物多様性の損失を留め、反転させる」という世界的な使命を確認した。また、2022年12月、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択された。2030年までに、これまで減少傾向であった生物多様性の状態を回復軌道に乗せるというネイチャーポジティブを目指す目標が掲げられた。各国には、同枠組みを踏まえ、生物多様性国家戦略を策定・改定することが求められた。また、同枠組みにおいて事業者は、気候変動対策、過剰消費の削減、持続可能な生産、生物多様性への投資などの取組みを進めることで、ネイチャーポジティブの推進に寄与することが期待されている。企業にとって、生物多様性に対して何も行動をしないことは、経営上の大きなリスクとなる可能性を孕みつつある。


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