2023.4.18

朝日ウッドテック/フクビ化学工業 公共空間の内装木質化でコラボ

相乗効果で自社プロダクトの普及拡大へ

朝日ウッドテックとフクビ化学工業が、公共空間の内装木質化提案でブランドコラボレーションを開始した。異素材メーカー同士がコラボすることでの相乗効果を狙い、市場での自社プロダクトの普及拡大を図りたい考えだ。

公共空間向けに「the wall 突き板不燃タイプ」、「ファンダライン」のブランドコラボを開始した

今回コラボレーション提案を行うのは、朝日ウッドテックの壁・天井材「the wall 突き板不燃タイプ」とフクビ化学工業の屋外家具ブランド「ファンダライン」。

「the wall 突き板不燃タイプ」は、表面材にレッドシダーの突き板を採用し、基材部分に特殊火山性ガラス質複層板を複合することで、国土交通大臣認定の不燃性能をクリアしている。そのため、住宅のキッチンや公共・商業施設など内装制限がかかりやすい場所でも天然木の風合いを楽しむことができる。

一方、「ファンダライン」はフクビ化学工業が独自開発した木粉と樹脂を合わせた人工木材「プラスッド」を使用しており、耐久性の高さとシンプルで普遍的なデザインによる組み合わせのしやすさが特徴。ベンチ、テーブル、プランター、ポスタースタンドなど8製品で展開している。

両社は異素材の住宅建材メーカーだが、商材の販売先が近かったこともあり、従前から付き合いがあったという。そのなかで、「the wall 突き板不燃タイプ」、「ファンダライン」を通じて、互いに非住宅市場への商材展開を強化する狙いがあることを知り、両製品のターゲット層も近かったことからブランドコラボを計画。コラボすることで、公共空間でも木のぬくもりを感じられる、より付加価値の高い提案ができるのではないかと考えた。

例えば、鉄道の駅舎は不特定多数の人が利用する公共施設であり、消防法第8条、および第36条に係る防火管理上の規制対象となっていることから、あらゆる箇所に鉄やコンクリートが採用されている。しかし、昨今では非住宅でも内外装を木質化する流れが加速していることから、空間に変化を持たせたいという潜在ニーズが高まっており、駅舎でも木を取り入れる動きが出てきているという。こうした空間への木の採用を考えた際に、「the wall 突き板不燃タイプ」の不燃性や「ファンダライン」の高耐久性は非常に相性がいいと言える。

また、「不特定多数の人が利用する空間に木材製品を設置することで、公共施設など非住宅でも木が使えることを一般の人々にも気付いてもらえるきっかけになるのではないか」(フクビ化学工業 事業開発部 まちづくり事業推進室・川又周太室長)という狙いもある。

具体的な採用先などはこれからだが、両社では現在、カタログなど広告ツールを作成し駅の運営元やビルのオーナーなどへの営業活動に注力している。

今後は、コラボを通じて「the wall 突き板不燃タイプ」、「ファンダライン」のさらなる知名度向上を目指していく方針で、「商材の拡大も含めて検討し、最終的には空間提案を行っていきたい」(川又室長)考え。

また、朝日ウッドテック マーケティング部 プロモーション推進室の西村公孝室長は、「今回のコラボは、お互いに顧客を紹介しあうことで営業の幅が広がるきっかけにもなり、非常に意義が大きいもの。単独営業では得られなかった効果を上手く活用し、互いの自社プロダクトの普及につなげたい」と次のステップへの意気込みを述べた。