トヨタホーム、TQギャラリーを千葉市の展示場にオープン
既存モデルハウスを生かしトヨタの家づくりを発信
既存のモデルハウスを改修した「TQギャラリーin幕張」をオープンした。住まいづくりを体感できる「TQファクトリー」をコンパクトにした施設で、受注促進、フルリノベーションの需要掘り起こしにつなげる。
トヨタホームが千葉市の住宅展示場「幕張ハウジングパーク」に「TQギャラリーin幕張」をオープンした。築12年のモデルハウスを全面リノベーションし、情報発信の拠点へとリニューアルした。
同社は2021年に体感型見学施設「TQファクトリー」(愛知県春日井市)を開設、これまで山梨工場(山梨県南アルプス市)、栃木工場(栃木県栃木市)の3カ所に設置している。同施設は、地盤・基礎、構造材、工法、断熱、耐久性などトヨタホームの住まいづくりを体験でき、同時に工場も見学できる。これら施設を整備して1年ほどが経過したが、工場見学の来場者は2倍、成約率も1.3倍と着実に成約に結びついている。
このTQファクトリーに気軽に行くことができない地域に同様の施設を、と計画したのが「TQギャラリー」で、その第一弾となるのが「TQギャラリーin幕張」だ。同時に静岡県と山梨県でも計画を進めている。幕張はもともとのモデルハウス一棟まるごとをTQギャラリーにリノベーションしたが、静岡は内装のみをリノベーションし2階の半分をギャラリーに、また、山梨は外装まで変更して全体の半分程度をTQギャラリー化するなど、立地によって施設整備の内容を変える。
今、戸建住宅の市場が冷え込み、商談のリードタイムも長くなっている。こうしたなかで「色々なことを仕掛けていかなければお客さんは動いてくれない」(横田純夫副社長)と、受注促進が大きな目的。TQギャラリーは千葉県内の展示場担当者が顧客を案内する仕組みで、「年間400~500組は案内できる」と、これまでのモデルハウスの月間来場者を一日で呼び込める。
フルリノベーション注力の拠点にも活用
「TQギャラリーin幕張」はもともと築12年のモデルハウス。建て替え時期を迎えるなか、社内で「今の時代に、簡単に壊して鉄骨を捨ててしまって良いのか」という議論が行われた。そこで今後、全国の建て替え時期を迎えたモデルハウスを骨組みだけ残し改装してギャラリーにしたり、新たな提案を行うという方針がまとまった。ユニット構造で柱が少ないことから、まったく違うプランとすることが可能なことが大きなメリットとなった。「一番の環境貢献はゴミを出さないこと。使えるものは使いながら新しい提案につなげる」ことを目指す。
また、このプロジェクトはリフォーム事業のテコ入れという側面も持つ。同社はOB顧客を中心に、主に築15年程度の住宅リフォームを手掛けてきたが、今後、築20年、30年の住宅のフルリノベーションに力を入れる考え。だからこそ、幕張のように一棟まるごとTQギャラリーにするだけでなく、半分だけ、また、4分の1といったTQギャラリー化の物件も揃え、残り部分をリノベーションの実物モデルとして活用する。「築20年超えの住まいもこれだけきれいになるというモデル」として見せ、リフォーム需要の掘り起こしにつなげる考えだ。
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