高性能住宅の現場に配慮した建材の充実に期待 樹脂窓はもっとスリムに、カッコよく

アイプラスアイ設計事務所 代表取締役 法政大学 デザイン工学部 兼任講師 飯塚豊 氏

アイプラスアイ設計事務所 代表取締役 法政大学 デザイン工学部 兼任講師
飯塚 豊 氏

──〈プレミアム住宅建材50〉のうち、特に注目する建材を挙げてください。また、それらの建材について、どういったところを面白いと思ったのかを教えてください。

アイプラスアイ設計事務所では、HEAT20のG2レベルを基本仕様として、高性能住宅を中心に設計業を行っています。要は充填断熱で対応できるところまでは最低でもやるということです。120㎜角の柱にグラスウール断熱材を充填し、ペアガラス、もしくはトリプルガラスの樹脂サッシ、屋根に240㎜厚のグラスウール断熱材を採用することで、G2レベルは軽くクリアできます。地方の工務店に対して設計だけをするサポートも行っています。地方の案件では、工事費を少し多めに割けることが多く、付加断熱によりG3レベルの性能を目指すことも増えています。ドイツ・パッシブハウス研究所の基準に適合した認定パッシブハウスを手掛けることもあります。住宅の設計業務に携わる実務者の視点で建材を選びました。

一つは、日本合板工業組合連合会の「ネダノン」です。私が設計する建物は、基本的に根太や筋かいを使用しません。昔ながらの根太大引の床組み・筋交いは耐震性能、断熱気密性能が出しにくいからです。近年、構造用面材で気密を確保する「ボード気密」という考え方が一般的になってきています。外壁に構造用面材などを使用することで、筋かいの施工を省力化でき、気密を取りやすくなる。床下地にも構造用合板を施工すれば、床・壁の取り合い部の気流止め対策を省略できるほか、耐震性能を高めることができる。施工品質も安定します。

ボード気密では、構造用面材が必須になります。私はネダノンを中心とした針葉樹合板系の面材を使用することが多い。床や屋根の下地としても厚物合板は使いやすい。ウッドショックの影響で一時非常に高くなりましたが、基本的には安価で、日本のどこでも手に入りやすい。特段指定しなくても、特類という耐水性能が高いものが入ってくるし、品質的にも安定していますから使いやすいですね。

日本合板工業組合連合会の「ネダノン」。構造用面材で気密を確保する「ボード気密」という考え方の普及が、需要増に拍車をかける

充填断熱では、旭ファイバーグラスの「Aclear α(アクリア アルファ)」を挙げます。大工さんに聞くと、グラスウール断熱材の施工で、チクチクするのは嫌だと言います。その点、アクリアシリーズは施工時のチクチク感が低減されているので、大工さんにも支持されています。アクリア アルファの性能値は、36Kで熱伝導率0.032W/(m・K)。超細繊維の採用により一般的なグラスウールの半分以下の細さにより断熱性能を発揮する。まだこの商品を使ったことはありませんが、試しに使ってみたいですね。超細繊維により、寒冷地の省エネ基準を105㎜厚でクリアする、とも書かれています。2025年4月には、すべての住宅・建築物へ省エネ基準の適合が義務化され、2030年までに省エネ基準をZEH水準に引き上げ、適合が義務付けられます。工務店が手掛ける住宅の省エネ性能の底上げ、レベルアップに貢献する断熱材としても注目しました。

最近、設計者同士で話題になったのは、アクリアシリーズに250㎜厚の高性能品がラインアップされたことです。屋根には、普段、このくらいの厚みのグラスウール断熱材を入れていますが、何枚も重ねることになる。どうやって支えるのかといったことが意外と難しく、1枚で厚いものがあればいいのにと思っていました。製品化によりこうした問題が解消されそうです。また、これはグラスウール断熱材全般に言えることですが、現場で幅を1㎝切らなければならないようなことがあり困ります。ユーザーの声を聞いて、製品の幅のラインアップをより充実させてほしいですね。

G3くらいの性能を目指すには、付加断熱が必要になります。付加断熱ではJSPの「ミラフォームΛ」に注目しました。ボード系断熱材で、より性能値の高いものはありますが、ミラフォームΛはコストパフォーマンスが抜群に優れています。今、新潟の工務店の依頼で設計している住宅は70坪ほどある、ちょっと大きな案件なので大型パネルを採用します。工場でミラフォームΛを付加断熱として取り付けて、透湿防水シートを貼り、樹脂サッシもつけてパネル化し、現場に搬入しクレーンで組み上げることで、1日で上棟が完了する予定です。

付加断熱と合わせて最近は、北方建築総合研究所が研究開発し、各工業会・メーカーにより、国土交通大臣認定を取得した「防火構造」の木外壁をよく採用しています。いわゆる北総研の防火仕様というものです。石膏ボード、充填断熱材、構造用面材、付加断熱などの組み合わせで、可燃材料である木材を外装材に使用し、30分防火構造の認定を取得できる。省令準耐火仕様でも使いやすい。15㎜厚以上という制限はありますが、防火処理をしていない普通の木を外装材として使用できる画期的なものです。付加断熱として、フェノールフォームに加えて、押出発泡ポリスチレンフォーム(XPS)、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)の3種類の断熱材を使用できます。

──その他に、注目された、面白いと思った商品はありますか。


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