2023.4.7

リンクジャパン、CO₂濃度に連動した換気システムを導入

各社との連携でスマートホームの可能性を広げる

リンクジャパンは、提供するCO₂センサーとタカラスタンダードのレンジフードを連動させ、二酸化炭素濃度が高くなると自動で換気を開始するシステムを開発、大京が供給する分譲マンションに導入した。

HEMS対応のレンジフードが普及するなか、設備メーカーのタカラスタンダードは、HEMSに対応するだけでは販売拡大が見込めないと判断し、差別化できる方法を模索していた。そこで声がかかったのがリンクジャパンだ。リンクジャパンは、IoTプラットフォームに関わる製品やサービスを提供する会社。同社のスマートホーム統合アプリ「HomeLink」は様々な会社の製品をまとめて管理できるIoTプラットフォームサービスであり、赤外線センサー付きの既存のレンジフードとも接続できる。連動すればユーザーの利便性向上に大きく貢献できるのではないかとした。一方で、大京はコロナ禍で分譲マンションを開発するにあたり、市場の換気ニーズに刺さるようなコンセプトの物件を検討していた。こうした各社の要望から、二酸化炭素濃度で自動換気を行うシステムを導入することが決定した。

自動換気は、リンクジャパンのCO₂センサー「eAir」で計測した情報を、HomeLinkを介してスマートリモコンへ送り、二酸化炭素濃度が一定の基準を超えた場合にレンジフードへ換気の指令を飛ばし、換気扇が自動で作動する仕組みとなっている。換気の強弱や二酸化炭素濃度は任意で設定が可能。
同システムは、大京の供給する「ライオンズ青砥レジデンス」及び「ライオンズ南千住グランプレイス」の全住戸に標準採用されている。

企画段階では、コロナ対策として換気の需要に応えるために作ったシステムではあるが、近年の研究で、CO₂濃度が作業効率や睡眠の質にも影響を与えることが分かり始めており、コロナ禍以降もこうした点での訴求ができるのではないかと見込んでいる。

全ての人がわかりやすく操作できるサービスへ

リンクジャパンは、「IoTが分からないと置いていかれる、それでは意味がない」(衞藤涼乃氏)と、使いやすさにこだわった製品作りを心掛けている。例えば、HomeLinkはスマートフォンにアプリを入れることで、機器を操作するリモコンの役目も果たすが、電源のオン・オフなど簡単な操作は、画面を見てすぐに行えるようになっている。高齢者社会が進むなかで、自宅にサ高住のようなサービスを導入する動きが出始めているが、そういった市場に対しても、スマートホームの導入によって介護や見守りを強化できるようにして対応する。

また、最新の取り組みとしてエネルギーマネジメント事業の充実を図る。太陽光システムや蓄電池と同社のスマートホーム技術を掛け合わせることで、自家発電のみで住宅の電気を補える仕組みを構築している。「自家発電の住宅が街全体に広がれば、災害時に近隣でエネルギー不足を起こしている街を助けられるようになる」(衞藤氏)と、サービス拡大を目指す。