2023.4.11

ケイミュー、設立20周年へ向けて土台作りを推進

ブランドロゴを改定し非住宅、海外市場を強化

ケイミューは、22年度の施策と業績見通し、今後の事業展開について発表した。23年12月に迎える設立20周年に向けてブランドロゴを改定し、新たな事業を開拓していく。

新しいロゴはコーポレートカラーのブルーで右肩上がりの成長を表現した

22年度の業績については、年間の売上高は1230億円、前年比103%と増収した一方、営業利益は為替や資材高騰の影響を強く受け、減益となる見通し。

施策については、「商品の進化」、「マーケットの進化」、「コミュニケーションの進化」の3つを軸に取り組んできた。

商品の進化では、昨年の春に屋根と外壁を同じ素材で施工する「LAP-WALL」を発売しており、屋根材の技術を生かしたシーリングレスでシームレスな美しい仕上がりとなっている。

マーケットの面では、非住宅及び海外へ向けた市場開拓に注力。21年に新設した非住宅へ向けた営業部隊、特建営業開発部を中心に、大手ゼネコンや著名建築家と関係性を構築している。こうした取組みの成果もあり、「SOLIDO」が今年3月に開業する北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールド北海道」の選手控室やスイートルームエリアと、相鉄・東急の新横浜駅構内において採用された。さらに、22年10月に全国展開を開始した、中高層建築物への新工法「FIRDOLA」も着実に採用を伸ばしている。

海外市場では、北米の現地法人が成長軌道に乗っており、売上は20億円に迫る。ロシアの現地法人は休止中だが、これまで培った寒冷地向けの工法の北欧、東欧での展開を始めている。アジアでは中国、韓国の市場が順調に伸びており、今後インドへの進出を目指す。

また、家づくりにおいて、施主が選ぶことが少ない外装材に目を向けてもらうため、一次取得者層へのアプローチにも力を入れる。インフルエンサーを起用したCMやYouTubeでの宣伝、オウンドメディアからの発信活動を行っており、23年度も継続する。

2023年12月に20周年を迎える同社は、次の10年間へ向けてブランドを刷新する。これまでのロゴにあった、外国の方がクミューと誤読する、戸建に特化したスローガンになっているなどの課題を解決した新ロゴを作成した。社名をわかりやすくするため、Kの文字を他の文字より大きく表示し、コーポレートカラーのブルーを差し色に右肩上がりの成長を表現した。社内向けだったスローガンは、対外的、対内的の両方へメッセージを込めて「未来を、いま、選ぼう そしてオンリーワンの夢と物語を」のタグラインに変更する。

10年後に向けたのポートフォリオとしては、ストック住宅などを中心に国内住宅市場の分野で売上を拡大しつつ、さらなる発展のために、非住宅、海外、新規事業の比重を増やしていくとし、国内住宅市場とそのほかの事業の構成比を50:50にしていく。

今年の新入社員入社により、クボタと松下電工出身の社員数をケイミューができてから入社した社員数が上回る。世代交代が進むなかで、勤務時の服装自由化や社内呼称「さん」付けの推奨など社内風土も変革していくとする。

木村均代表取締役社長は、「新たな価値創出というこれまでの理念に加え、サステナビリティ、全てのステークホルダーに愛される会社にしていきたい」と20周年への意気込みを語った。