脱炭素、省エネ改修の建材に注目 コストダウンを見据え汎用性のある技術開発に期待
芝浦工業大学 建築学部長 教授 秋元孝之 氏
──〈プレミアム住宅建材50〉で取り上げた建材のうち、特に注目された商品は何ですか。注目したポイントもあわせて教えてください。
全体を通じて興味を引いたのは、カーボンニュートラルや省エネなど地球環境負荷削減に関する商品です。さらに新築だけではなくストックの省エネ改修に役立つ建材という視点から注目する商品が多くありました。
まず、YKK APの「FRAMEⅡ」に、耐震性と断熱性という2つの性能を向上させる建材という点から注目しました。
今、改修に対する国の補助金が手厚くなり、2023年度も多くの事業が実施されます。ただ、省エネ改修については、これまでなかなか進んでこなかったのが現実です。一般的に内装や設備機器の改修、また、躯体の改修は注目されますが、断熱改修はなかなか広がってこなかった。耐震性が不十分な住宅ストックが多く存在しますが、これらの住宅は断熱性、省エネ性も劣っています。
この商品は木質耐震フレームと高断熱窓を組み合わせたもので、住宅を地震災害から守るための耐震性能を高めるリフォームを行うと、同時に断熱性能も高まる。一回の改修で両方の性能を高めることができる、ストック住宅の課題を解決できるという所が優れていると思いました。
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