2023.3.17

大東建託、都市部向け賃貸住宅を強化

高まるテレワークニーズに対応、単身者などターゲット

コロナが落ち着き引越しを検討する人が増えていること、また、テレワークを希望する人が多く、特に都市部で利用ニーズが高いことなどを踏まえて、都市部向けの賃貸住宅商品を強化する。

全住戸1LDKプランの「KLEUR PiT」の外観イメージ

同社の賃貸未来研究所の、コロナによる住まいへの意識調査によると、ウィズコロナ時代に向けて新生活様式も定着し、引越しニーズも上昇傾向にあることが分かっている。「コロナで社会は大きく変わる」と回答した人は20年6月の調査では78.1%いたが、22年9月の調査では61.5%まで低下。「郊外、都心への引っ越しを検討している」は、それぞれ5.4%から10.1%に、5.3%から9.3まで上昇している。さらに、賃貸住宅の入居者はコロナ以降もテレワークを希望する人が多く、特に都市部の利用ニーズが高いことも判明。テレワークの継続利用希望者は、持家(35.7%)より賃貸入居者(47.2%)の方が多い。地域別のテレワーク率を見ると、首都圏(1都3県)が4割弱と最も高い。加えて、20年に総務省が発表した「令和2年国勢調査(人口速報集計結果)」では、一世帯当たりの人数は全国平均で2.27人と5年前の前回調査から0.11人減少。さらに東京では全国最少の1.95人となっている。また、家族類型の構成比も、「単身」や「夫婦のみ」の割合は増加傾向で、今後、賃貸住宅市場はコンパクトな住居への需要が高まることが予想されている。

都市部の単身者をターゲットとした「CONTE CESTO」。片廊下タイプの全住戸「1K」

こうした市場環境を踏まえて、都市部向けに、シングル、カップルなどをターゲットとする賃貸住宅新商品を強化する。「DK SELECT」ブランドの木造2×4工法2階建て賃貸住宅から、全住戸をコンパクトな1LDKとした「KLEUR PiT(クルール ピット)」の販売を開始した。

小家族化の進行が継続する一方で、賃貸住宅業界の戸あたり床面積帯別シェアは2020年と2021年を比較すると、~30㎡が17.2%から15.4%へと減少、~40㎡が26.1%から27.5%へと増加しシェア伸び率共に1位、~50㎡が21.1%から21.8%へと増加しシェア・伸び率共に2位となり、専有面積は増加傾向にあり、居住者のスペース拡大のニーズが高まっている。そこで、クルール ピットでは、LDKとつながりワークスペースや趣味の空間として活用できる「エクストラルーム」を採用。居住スペースを拡大し、多様化するライフスタイルにも柔軟に対応できるように工夫した。一方で、間口を従来の5.4mから4.3mに抑えることで、戸数を確保し、収益力を高められる。さらに、高さ制限もかわしやすいや母屋下げなどにより、都市部の敷地・条例に対応する。販売価格は坪当たり55万円~(1棟8戸)。初年度360棟の販売を目指す。

狭小敷地などの厳しい敷地・建築条件にも対応しやすい、片廊下タイプの全住戸「1K」の新商品「CONTE CESTO(コンテ チェスト)」も発売する。配置効率の良い「片廊下タイプ」で、従来の長屋形式のフラットタイプ商品よりも狭い間口に配置ができ、厳しい地域条例のかかる都市部でも、住戸数を増やした提案が可能となる。販売価格は坪当たり54万5000円~(1棟10戸)。初年度の販売目標は100棟だ。